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平成 7年第 4回定例会−12月11日-04号
平成 7年第 4回定例会−12月11日-04号

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  1. 熊本市議会 1995-12-11
    平成 7年第 4回定例会−12月11日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成 7年第 4回定例会−12月11日-04号平成 7年第 4回定例会   平成七年十二月十一日(月曜)   議 事 日 程 第四号   平成七年十二月十一日(月曜)午前十時開議   第 一 質 問                  午前十時三分 開議 ○議長(荒木哲美君) ただいまより本日の会議を開きます。      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) 日程第一「質問」を行います。順次発言を許します。竹原孝昭君。        〔十六番 竹原孝昭君 登壇 拍手〕 ◆十六番(竹原孝昭君) おはようございます。新風自由民主竹原孝昭でございます。  私にとりましては、ちょうど一年前、三角市長初登壇の際に質問させていただいて以来の質問となりますが、質問の機会を与えていただきました議員各位に厚く御礼を申し上げます。  それでは、早速質問に移りたいと思いますが、三角市長を初め執行部の皆様の明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。  さて御案内のとおり、現在の我が国の経済情勢は、バブル経済の崩壊後、長期にわたり景気が停滞いたしており、昨年は一時的に回復の兆しがあらわれたものの、その後の急激な円高や産業空洞化の進展による雇用不安、不良債権処理問題のおくれや相次ぐ金融不祥事による金融不安が表面化するなど、回復どころかかえってその先行きが不透明になってきていると実感するところであります。  このような中、国においては平成四年以来、数次にわたり景気回復のための経済対策を講じてきたところでありますが、目に見えた効果はあらわれず、さらに今年度も四月、九月の二度にわたり公共事業を中心とした二十兆円近い対策を講じたところです。もちろん、これらの公共事業波及効果により何とか最悪の事態だけは避けられているようでありますが、現在のデフレ不況複合不況下にあっては、国の経済対策だけでは限界があるのも一面の事実であります。  この経済対策を効果的なものとするためには地方の役割が非常に重要であり、本市においても、これまで数次にわたり景気回復策としての事業を積極的に展開してきているところであります。しかし、今日の複合的な不況下にあっては、ただ単に国の対策に沿って公共事業を推進するだけで乗り切れるものではありません。私は、もっと根本的に国、地方が何をなすべきかを真剣に考え対策を講じていかなければ、この不況を乗り切れるものではないと考えます。  我が国を一本の樹木に例えて申しますならば、国は幹であり、県は枝で、そして市町村は葉であると思います。この樹木は幹だけで成長するものではなく、その枝葉を萎縮させることなく、伸び伸びと自由に育てることで初めてすくすくと成長していくのではないでしょうか。言いかえれば、国からの単なる押しつけではなく、国民に最も身近な地方公共団体、すなわち市町村みずからの創意工夫による事業の推進こそが我が国の発展にとって大切ではないかと思います。  このようなことに思いをはせながら、国の新年度の予算編成を眺めてみますと、長引く景気の低迷による税収の伸び悩みなどの影響もあり、十兆円に迫る巨額の財源不足が生じ、新年度の国債発行額は二十兆円を超える見通しとのことです。
     国においてはこれまでも、社会基盤の整備のための公共事業の推進を、後年度その利益を享受する国民も負担すべきであるとの考え方に基づき国債発行により進めてきたところでありますが、一方では予算規模の三倍に達する二百兆円を超える国債残高を抱えるなど、デフレの時代である現在においても、また超高齢化社会の到来による社会保障費の増大が目に見えている近い将来においても大きな財政圧迫要因となっているのも事実でございます。  あたかもこれを裏づけるかのように、去る十一月、予算編成直前になって大蔵大臣の財政危機宣言がなされるなど、その実情がうかがえるのです。しかし財政が厳しいからと言って国家の基盤づくりを怠るわけにはいかず、むしろ我が国に超高齢化社会が到来する前にしっかりとした社会基盤づくりを行わなければ我が国の将来はないと私は基本的には考えております。だからといって何もかもやればよいというものではなく、百年の大計に立って、今真に必要なものは何であるかを見据え、貴重な財源を投入すべきであると考えます。したがって、予算編成における思い切った予算配分財源構造の見直しなど、今だからこそ、既成概念にとらわれず思い切った発想の転換を行うなど財政の変革が必要だと思います。  このことは本市においても同様であると考えるわけでございます。市税、交付税といった本市の根幹をなす歳入が伸び悩む中、一方では義務的経費の増高など、投資的経費に充当できる財源の確保が厳しい状況にあり、このような中で、多様化する住民ニーズにそれぞれこたえていくのにはおのずと限界があるのではないかと思います。  バブル経済崩壊後のここ数年の本市の普通建設事業への取り組みを見てみますと、平成五年度あるいは本年度もそうでありますが、国の経済対策に呼応したものも含め、道路、公園、公営住宅、公共下水道、水路等々、補助事業単独事業を問わず積極的な対応がなされており、都市基盤を含めた都市環境はそれなりに向上いたしておりますが、反面では公債費比率起債制限比率に具体的に高水準の数値があらわれているように、投資による市債現在高の増高を招いているのも事実であり、このことが後年度に大きなツケを残す結果ともなっています。  ただいま申し上げました事業の中には、一例ではございますが、道路整備において同一箇所をここ数年のうちに二回もやり直し工事が行われるなど、本当にその必要性があったのかどうか懸念されるものが見受けられるのも事実でございます。果たして事業の必要性、優先順位など、どのように考え事業が計画されたのでしょうか。財政事情が厳しい折だからこそ、特に市民に疑念を抱かせないような計画をすべきだと思います。  私は、これらの事業を推進するに当たって、さまざまな市民ニーズの中から、今真になすべき施策は何かを的確にとらえ、都市経営的な観点に立って、時には既存事業の廃止を行うなど、思い切ったスクラップ・アンド・ビルドを行い、限られた財源を効率的、重点的に配分することが必要ではないかと考えます。本市が中核市として、また将来の政令指定都市として、さらには二十一世紀に向けて活力あふれるまちとして発展するためにも、特にこのような事業の厳しい取捨選択が求められるのではないでしょうか。  また、財源の確保という視点からも、私は都市経営的な感覚を持つことが必要だと思います。例えば、平成五、六年度に公共用地として取得した南熊本の用地がありますが、この用地は本市の拠点整備としての核になるものとして取得されました。しかし、事業着手までには時間を要するのではないでしょうか。私はこの間、立地条件がよく、そして交通結節点でもありますこの地を、例えば一時的な駐車場として活用すれば、収入源としてはもとより、パーク・アンド・ライドとしての機能、すなわち交通渋滞の緩和にも役立つなど、一石二鳥どころか、もっと幅広くいろんな意味で波及効果を生むのではないかと思います。このようなことを考えてみますと、もっともっと多くの分野にわたり有効活用ができるのではないでしょうか。  このような意味からも、私が昨年十二月議会でも申し上げましたように、これからの市政運営に当たっては、経営者的感覚企業的発想に立った効率的行財政運営を行っていかなければならないと思います。このためには、財政部局のみならず、市役所全体の思い切った意識の改革を行うことはもちろん、これを支える市民、そして政治がしっかりしなければ今の難局を乗り切ることはできないと思うのです。よりよい市民生活を築き上げるために、行政、市民、議会の三位一体の協力が不可欠であると考えます。  そこでお尋ねをいたします。三角市政も二年目を迎え、来るべき新年度予算は実質的に三角カラーの出てくる予算になると思いますが、このような厳しい財政状況下にあって、新年度の予算をどのような考え方に基づいて編成されるのか、三角市長にお尋ねをいたします。  また、どのような視点に立って財源確保を行うのか、総務局長にお尋ねをいたします。        〔市長 三角保之君 登壇〕 ◎市長(三角保之君) 竹原議員の御質問にお答えいたします前に、一言御報告と御礼を申し上げます。  先日の提案理由説明で予定として御報告申し上げましたとおり、十二月八日、中核市の指定に関する政令の公布があり、本市の中核市としての指定が正式に決定いたしたところであります。これを受けまして同日、本会議の合間ではございましたが、今後中核市を市民の皆様に広く御理解をいただくためにも、中核市移行決定の広告塔の除幕式をとり行いましたところ、大変寒い中にもかかわりませず、荒木議長を初め議員各位には多数御参加を賜り、心より厚く御礼を申し上げる次第であります。  それでは、早速御質問にお答えをいたしたいと存じます。  厳しい財政環境下における新年度予算編成の基本的な考え方についてのお尋ねであります。  議員御指摘のとおり、国の数次にわたる経済対策にもかかわらず依然として景気が停滞しており、この影響により、国、地方ともどもその財政環境は極めて厳しい状況にあります。  本市におきましても、各種財政指標にもあらわれているように厳しい財政状況にあると認識をいたしているところであります。このような中、ただいま申し上げましたように本市は来年四月一日より中核市としての新たな第一歩を踏み出すことになりました。私はこの一歩を、単に市民サービスの向上ということだけでなく、みずからの自由な発想により、みずからの責任において、魅力と活力あふれるまちをつくり上げていくための新たな第一歩としなければならないと決意をいたしているところであります。  中沢議員の御質問でもお答えいたしましたように、今後は、本市が名実ともに中核市にふさわしいまちとなり、また、すべての市民が幸せであると感じられるまちとなるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。  しかしながら、この現在の厳しい財政状況下にあっては、このような都市が一朝一夕に実現できるものではなく、その実現のためには議員御提言のとおり、企業経営的発想と感覚を持って都市経営に当たる必要があると私も痛感をいたしておるところであります。  このためには、議員御指摘の投資における非効率性の排除や資産の有効活用等を含め、思い切った市役所職員の発想の転換、意識の改革による全庁的な効率化、合理化への取り組みが必要ではないかと考えております。  また、このような企業経営的都市経営の推進には、市民の皆様を初め議員各位の御理解、御協力がなくてはならないものであり、双方向の対話の市政と人情味あふれる心豊かなまちづくりを進めていかなければならないと考えておるところであります。この市民、議会、行政、三位一体の協力により、本市が二十一世紀に向け、真に魅力と活力あふれるまちとなるよう全力を傾注する覚悟でありますので、竹原議員初め議員各位のさらなる御理解と御支援をお願い申し上げる次第であります。        〔総務局長 野田晃之君 登壇〕 ◎総務局長(野田晃之君) 私からは厳しい財政環境下における財源の確保というお尋ねにお答え申し上げたいと存じます。  ただいま議員御指摘のように、私も、現在の国、地方を通じた厳しい財政状況を乗り切るためには、これまでのような財政運営手法だけでは困難な面があると考えているところでございまして、ただいま市長も申し上げましたように、職員の意識改革の徹底を図り、都市経営の観点に立って効率的な財政運営を行うことが必要であると存じております。  お尋ねの財源の確保につきましては、歳入面だけではなく、歳出面で限られた財源を効率的に使うということも、ある意味では財源の確保につながってまいりますので、効率的な財政運営という視点からお答えを申し上げてみたいと思います。  まず、第一点目は財源の拡充強化でございます。  このためには自主財源の涵養が第一でございますが、その根幹をなす市税につきまして、課税客体の正確な把握に基づく課税に努めますとともに、納税意識の高揚、徴収体制の整備等により収納率の向上に努め、財源の確保につなげたいと考えております。このことにつきましてはこれまでも努力を重ねてまいったところでございますが、財政運営の最も基本であり、さらなる徹底を図ってまいりたいと考えております。  また現在、行政改革推進委員会におきまして、本市の行革につきまして種々検討がなされておりますが、その中でも御論議をいただいております使用料、手数料等につきましても、受益と負担の公平の観点から、市民の皆様のコンセンサスに留意しながら料金の適正な見直しの検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。さらに、ただいま御提言のございました資産の有効利用等の問題は、財源確保の一つの有効な手法ではないかと存じますので、今後検討させていただきたいと考えております。  次に、第二点目は効率的な財源配分でございます。  この点につきまして、事務事業節減合理化はもとよりでございますが、事業の推進に当たって、時代の変化に的確に対応し、本市の将来を見据えながら、場合によりましては、これもただいま御指摘がありましたとおり既存事業の廃止を含めた事業の優先順位の厳しい選択を行うなど、めり張りのきいた財源の配分に努めてまいりたいと考えているところでございます。このことにより、御指摘の投資の非効率性の排除にもつながるものと存じます。  いずれにいたしましても、現年度に引き続きまして平成八年度は財政的に極めて厳しい状態が続くことは確実な情勢にございます。今後、議員の御指摘の趣旨を踏まえながら、財政部門はもとより、事業実施部門と一体となり、企業経営的発想に立って一層の財源確保に努め、堅実な中にも一定の行政水準の確保が図られる財政運用を進めてまいりたいと、このように考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。        〔十六番 竹原孝昭君 登壇〕 ◆十六番(竹原孝昭君) 御答弁ありがとうございました。  現在、地方都市においては、財政の弾力性を示す経常収支比率が、第一次オイルショック後の一九七五年に次ぐ水準にまで悪化していると言われており、このようなときこそ、優先順位の見直しや事業の計画性、及びその効率的な推進が求められるのであります。来年度の予算編成に当たっては、三角カラーだけではなく、この点からも注目しているところであり、市長のリーダーシップと執行部における御尽力に期待をするものであります。  次に、中核市指定後の対応についてお尋ねを申し上げます。  先ほど市長が申されましたとおり、本市を含む全国十二市の中核市第一次指定が去る十二月五日に閣議決定され、八日にその政令が公布されたことにより、来年四月一日から本市が中核市に移行することが正式に決定いたしました。この朗報を受け、先ほども言われましたが、八日午後には早速庁舎前で広告塔の除幕式が行われました。その際、大願を果たされた三角市長の晴れやかな表情が印象的でありました。この中核市指定に向け熱心に取り組んでこられた三角市長初め執行部の方々には心からお祝いを申し上げますとともに、その御労苦に対して敬意を表し感謝申し上げる次第でございます。  さて、今さら申すまでもありませんが、この中核市制度は、実に三十九年ぶりの都市制度の改革であり、政令指定都市に準ずる権限を持つものとして、都市計画や福祉、保健衛生など多くの分野で県から市へ大幅な権限が移譲されるものであり、地方分権の大きな流れの中、より住民に近い位置で事務を担当することにより、住民本位で利便性の高い行政サービスが可能になるとともに、移譲される新たな事務権限を生かして、地域特性を生かしたまちづくりの推進がその効果として期待されるところでありますが、しかしながら一方で、当局の試算によれば、権限移譲に伴う事務量の増大は職員十五人分にも相当し、また新たな財政負担は二十三億円にも上るなど、権限の増加に伴う負担の増大も見込まれるわけであって、これらの負担、義務の増加以上の効果をどのように導き出していくか、また移譲された権限を生かして、中核市に相応して独自のまちづくりをどのように展開していくかに、市民はもとより内外の人々が注目しているところであります。  そのためには、市長も言っておられるように、行政のレベルアップ、事務の効率化、職員の政策形成能力の向上などが強く求められるわけで、私は、中でも特に職員自身に、行政サービスの担い手として、また地域の自立と発展のために奉仕するものとして一層の自覚と努力が求められ、その能力向上をどのように図っていくかが大きなかぎとなると思っております。  そこでお尋ねをいたします。中核市移行を踏まえ、今後、職員の育成や能力向上に向けてどのような取り組みをされるのか、市長公室長にお答えをお願いいたします。        〔市長公室長 岩本洋一君 登壇〕 ◎市長公室長岩本洋一君) 中核市指定後の対応につきまして竹原議員にお答え申し上げます。  中核市指定につきましては、議員各位の御理解と御支援のおかげをもちまして、三角市長から御報告申し上げましたように、また、ただいま竹原議員申されましたとおり、さきの十二月八日の政令の公布によりまして移行が正式に決定されたところでございます。この制度の成否が今後の地方分権の進展を左右するものと考え、地方自治の担い手となる職員の力量、資質、能力のさらなる向上の必要性を感じておるところでございます。中核市への移行に伴い、これまで以上に住民の立場に立ったよりきめ細かなサービスを提供していくとともに、地域の特性を生かしたまちづくりを積極的に推進していかなければならないと存じております。  移行に向けましては、現時点で必要と予定されております十五名のうち、当面必要な七名を既に関係各課に配置いたしますとともに、例えば身体障害者手帳交付事務屋外広告物に係る事務につきましては、職員が県に出向き、実務の習得に努めるなど、円滑な事務処理の準備を進めているところでございます。市民の期待にこたえ、中核市たるにふさわしい行政運営を行っていく上で、議員御提言のように、職員の育成、能力向上は喫緊の課題であると考えております。  そこで職員の基本的な資質としての職務への責任感、使命感、あるいは市民とともに考えともに行動する思いやり、積極性ある人材の確保、育成に努めることはもとより、地域の実情に応じ、創意工夫を凝らした施策を展開するため、職員の政策形成能力の育成などを柱とした研修の充実を図ってまいりたいと存じております。さらには適材適所の人事配置を行い、職員の多様な能力を行政の場に生かしていくことにより、市民福祉の向上、熊本独自のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。        〔十六番 竹原孝昭君 登壇〕 ◆十六番(竹原孝昭君) 御答弁ありがとうございました。  組織は人なりと言います。まさにそのとおりであり、幾ら門構えがよくなっても、その中にいる職員の資質が向上しなければ、組織自体の発展、ひいては本市の発展は望めません。武田信玄ではありませんが、「人は城、人は石垣、人は堀」であります。今後の積極的な取り組みをお願いいたします。  次に、環境問題についてお尋ねをいたします。  いきなり唐突な話で恐縮でございますが、現在日本人の死亡率の第一位は、皆様よく御存じのとおり、悪性腫瘍いわゆるがんでございます。我々の体は無数の細胞からできており、これらの細胞は、細胞の核の中にある染色体、つまり遺伝子の働きによっておのおのが何をすべきかを正確に知っており、そしてその一つ一つの細胞がみずからの役割をきちんと果たすことにより私たちは生命を維持していくことができるのです。しかしながら、年をとるにつれさまざまな原因により傷ついてしまう細胞が生じてきます。こうした傷ついた細胞のほとんどはすぐに死んでしまうのですが、傷ついたまま生き残り、おのれの役割を忘れて勝手な行動をとり、しかもすごい勢いで増殖を始めるものが出てきます。これががんの原因の一つと考えられております。ちょうどこれと同じようなことが現在の地球にも当てはまるのではないでしょうか。  地球上にすむすべての生物は、微生物から哺乳類に至るまでさまざまな役割を持って生きております。例えば、皆様よく御存じのとおり、動物は呼吸により酸素を吸収し二酸化炭素を放出いたしておりますが、逆に植物は炭酸同化作用により二酸化炭素を吸収し酸素を供給いたします。このような働きにより地球の大気は一定に保たれ、また、すべての生物は寿命を全うすれば死に至りますが、その死骸は微生物の働きにより分解され無機物となり、新たな生命の源となるわけであります。  現在地球上には四百万を超える種類の生物が生活していると言われておりますが、これらはちょうど体の中の細胞のように一つ一つがそれぞれ異なる役割を持ち、生態系と呼ばれる細く見えない糸でつながり、緑の惑星と呼ばれる豊かな地球を維持しております。しかしながら、今、この奇跡的なつながりによって保たれておる地球環境が、肥大化する人類活動の影響によりかつてない重大な危機に直面いたしております。我々人類はまさにがん細胞のごとく地球の至るところで急激に増殖し、みずからの都合だけで傍若無人に振る舞い地球をむしばんでおるわけでございます。このままで推移しますならば、三十五億年に至る地球の歴史はわずか四百万年前に生まれた人類により終わりを迎えてしまうことになりかねません。あたかもがん細胞が母体を死に至らしめることによりみずからの命の終わりを迎えるように、我々人類もいずれ地球を滅亡のふちに追い込むことになり、みずから生存基盤を失ってしまうことでありましょう。  人類以外の生物は長い時間をかけてみずからを変化させることにより環境への適応を図ってきましたが、人間はその高度な知能を使ってさまざまな道具を開発し、環境を人為的に改変していく道を選びました。その結果、今日の高度な文明社会を築き上げてきたわけでありますが、一方では、石油や石炭などの化石燃料を利用した大量のエネルギー消費を伴う急激な工業社会の進展とともに、次第に自然のシステムとは別個の独立したシステムを形づくるようになり、豊かな文明の形成と引きかえに拡大する一方の人類活動が自然を圧迫し、地球規模での環境破壊を引き起こすまでに至っております。そして、この地球規模での環境破壊は人類の未来さえも脅かしており、私たちに、人類もまた自然の生態系の中でしか生存できないことを改めて認識させる結果となっております。つまり、我々人類は、環境を変える能力はあっても、環境から影響を受ける点では他の生物と何ら変わらないのであります。今後、我々人類はその種の特徴である英知を結集し、傷ついた地球をいやすことにより、生態系の一員としての役割を果たしていかなければなりません。  これまで申し上げましたように、我々人類にも他の生物と同様、生態系の一員としてこの母なる地球を守っていく責任がありますが、人類活動地球的規模で拡大している今日、この責任は、一部の国や地域、特定の企業だけの責任では済まされません。私たち一人一人の責任であり、私たちは、環境問題を自分自身の問題としてとらえ、みずからの責任において日常生活の中での環境保全に努めていく必要があります。  特に本市は環境都市宣言を打ち出しており、ふるさとの環境を守り育て、次の世代へと継承していくことはもとより、地球規模の環境問題に対しても積極的な対応を進めていかなければなりません。  いずれにいたしましても、私たち人類が地球のガンとなり地球を死に至らしめ、その結果、みずからも滅んでしまうのか、それとも地球生態系の一員として緑の地球を守っていくのか、これからの我々の取り組みの方向いかんにかかっていると言えるのではないでしょうか。  そこで、環境問題について二点お尋ねいたします。  まず一点目は地下水問題であります。  我々は地球生態系の一員として、あらゆる環境問題に対し全力を挙げて取り組んでいかなければなりませんが、特に私たちのふるさと熊本にとっては地下水の保全であります。先般環境保全局の方で実施されました市民意識調査の結果では、市民の七割以上の方が、本市の地下水について将来枯渇の心配があると答えておられます。  また、平成六年度に県市共同で実施されました熊本地域地下水総合調査報告書を見ますと、昭和五十九年、六十年と平成二年、三年の地下水位を、主要な涵養域である白川中流域における観測井水位で比較いたしますと、降水量は後者の方が多いにもかかわらず、地下水位は前者は平均三十一・三メートル、後者は平均三十・六メートルとなっており、地下水位の長中期的な低下傾向があらわれております。  さらに、平成二年を基準年とした将来予測では、地下水涵養量は、十年後には基準年の三%、二十年後には約七%減少し、逆に地下水の需要量は、二十年後には基準年の約二割増加すると予想されております。このままで推移いたしますと、地下水位の低下はもとより、江津湖や八景水谷の湧水の減少、これに伴う生態系への影響、さらには海岸部での塩水化や地盤沈下の進行などが懸念され、地下水の枯渇という最悪のシナリオさえ現実になる可能性も考えられます。  そこでお尋ねいたします。本市の命の水であります地下水を将来にわたって適正に保全していくため、今後どのような対策を講じていかれるかお答えをいただきたいと思います。  次に大気汚染の問題でありますが、地球環境問題の中でも最も重要な問題であります地球の温暖化の主な原因は、石油や石炭などの化石燃料の大量消費などに伴う二酸化炭素排出量の増大であり、さらに、これらは硫黄酸化物や窒素酸化物などの大気汚染物質も同時に排出いたします。  本市におきましても、特に近年のモータリゼーションの発達に伴い、二酸化炭素排出量の増加から光化学オキシダントの高濃度化などさまざまな問題が生じております。このような大気汚染防止対策といたしまして、公共交通機関や自転車の利用拡大などさまざまな対策が考えられるかと思いますが、特に緑化を進めていくことが最も効果的な対策ではないでしょうか。  緑は炭酸同化作用により二酸化炭素を吸収いたします。森林一ヘクタール当たり年間約二十五トンの二酸化炭素を吸収すると言われており、また緑には大気を浄化する機能もございます。さらに、防災、騒音防止、気候調節などさまざまな環境保全効果がございます。  そこでお尋ねをいたします。こういった緑の持つ環境保全機能を生かした緑化を進めていく必要があると思いますが、今後どのような緑化対策を進めていかれるか、以上二点につきまして環境保全局長の御答弁を求めます。        〔環境保全局長 矢毛隆三君 登壇〕 ◎環境保全局長(矢毛隆三君) 竹原議員の地下水問題並びに大気汚染問題について、二点の御質問についてお答えいたします。  ただいま、今日の環境問題と人類活動との関係を地球を人間の体に例えられながら、非常に示唆に富んだお話をいただきました。我々一人一人が地球に負荷を与えながら生活していることを深く反省し、環境保全に対して足元から行動を起こしていかなければならないと認識を新たにした次第でございます。  議員御案内のとおり、地下水は本市の命の水でございます。これを守り後世に引き継いでいくことは現代に生きる我々の責務であり、六十五万市民のすべての願いであります。しかしながら、近年の都市化の進展により、涵養域の減少や需要の拡大など地下水を取り巻く状況は厳しい一方であります。本年九月二十五日に実施いたしました環境保全都市宣言の中でも、その将来に警鐘を鳴らしているところでございます。  保全対策につきましては、まず、その情報を正確に把握することが必要であり、現在、地下水位に関する情報を一元的に管理するシステムを構築するべく努力しているところでございます。本システムを活用し地下水情報の提供を行い、節水対策など全市一丸となった取り組みを進めていくことが肝要かと考えます。  また、本年度中には、県市共同事業による熊本地域地下水総合保全管理計画を策定いたすこととしており、今後は本計画に基づき、節水合理化の推進、涵養域の保全、地下水質の保全の三つを柱に、将来に向けた地下水の適正な保全と活用のための施策を展開する所存でございます。  続きまして、第二点でございます。  緑化の推進でありますが、これまで本市では、街路樹、学校などの公共地緑化、さらには工場、家庭等における緑化などに取り組んでおりますが、議員御案内のとおり、緑にはさまざまな環境保全機能があり、さらに効果的な環境保全を進めるためには、緑の特性に応じた緑化を進めることが必要でございます。そこで現在、酸素供給、二酸化炭素吸収、汚染物質、浮遊粉じん吸着、温度緩和、騒音吸収、防火等の緑化の保全機能に対する調査を行っているところでございます。  今後はこの調査結果をもとに、防災の視点も取り入れながら、樹種の特性に応じた植栽、効果的な緑化手法等を盛り込んだ緑化指針の策定を行い、緑による環境保全対策を進めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、本市といたしましては、議員各位の御指導を仰ぎながら、環境保全都市の形成に向けて、地下水の保全や緑化の推進にこれまで以上に積極的に取り組んでまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。        〔十六番 竹原孝昭君 登壇〕 ◆十六番(竹原孝昭君) 御答弁ありがとうございました。  地下水の保全に関しては、市民意識の高揚や涵養域の保全、拡大などの取り組みはもちろんですが、私は経済活動における地下水の大量くみ上げに対しても、節水あるいは河川水の利用への転換などを働きかけていかなければならないと考えております。  ほんの一例ではございますが、NEC熊本工場では一日に七千トンの地下水を利用しているとのことで、これは一般的な家庭に換算しますと約三百三十軒分に当たるものです。こういった工場、事業所すべてで使用する水量を考えますと、地下水保全に与える影響は決して小さいものでありません。このような問題についても、今後熊本地域地下水保全活用協議会などに取り上げていただき、御検討いただきますよう強く要望するものであります。  また、かつては夏目漱石が森の都と呼んだ本市も、残念ながら近年緑の減少が目立っております。来年は夏目漱石が来熊してちょうど百年目を迎えますが、環境保全機能を生かした計画的な緑化を推進していただきまして、天国にいる漱石が将来の本市を見たとしても、再び「森の都だなあ」と感嘆するようなまちを築いていただきたいと思います。  緑化の推進に当たって、特に市内各所にある公園整備についての要望でございますが、最近、コンクリートや石で覆った公園が目立っているような気がいたします。私は、緑に囲まれた潤いのある公園整備が求められていると考えるものであり、自然の森をイメージした憩いを求めて人々が集まるような公園の整備をお願いいたしておきます。  続きまして、福祉問題についてお尋ねをいたします。  先ほども申し上げましたとおり、本市におきましては、来年四月の中核市への移行に向けて受け入れ態勢の整備など着々と準備を進められております。御案内のとおり、中核市になりますと、福祉、保健衛生、環境保全都市計画などの各部門で政令指定都市に準じた事務が県から移譲されることになり、市民サービスの向上や個性豊かな本市の特性を生かしたまちづくりが推進されるものと期待いたしております。  福祉部門では、特別養護老人ホームなどの設置認可の権限の移譲により、施設の適切かつ計画的な設置ができることとなり、また身体障害者手帳も市が認定、交付することになり、交付までの期間が短縮できるとのことであります。しかしながら、急激な高齢化、出生率の低下、核家族化の進展などにより、保健、福祉行政に対する市民のニーズも大きく変化しております。  このような状況の中、介護を必要とする高齢者に対するサービス提供体制の整備は、今後の全国地方自治体の大きな課題となるものと予想されます。一人一人の高齢者のさまざまなニーズに適応したきめ細かなサービスを提供するためには、マンパワーを質的にも量的にも確保し、保健、医療、福祉が一体となって事業を推進することが必要であります。  このことは、昨年二月に策定されました本市の老人保健福祉計画にもうたわれており、また、本議会においても幾度か指摘されているところであります。保健、医療、福祉の専門家が連携し合い、まず介護を受ける本人や家族との相談でニーズを把握し、次に計画(ケアプラン)を策定し、その計画に基づいて必要なサービスを提供し、最後にサービスを再評価するというシステム、いわゆるケアマネジメントが確立されることより、ケアを必要とする人が常にそのニーズに合った適切なサービスが受けられるようになるのであります。  このような考えに立って、これまで縦割りであった保健と福祉のサービスの垣根を越え、一体化するため、広島、岡山、島根の三県を初め、政令指定都市の中でも北九州市や横浜市では、保健所と福祉事務所を統合したり、保健所を区役所に編入し福祉保健センターを設置するなどの新しい試みがなされております。  また、熊本県行政改革審議会の十一月の報告書仕事イノベーションにおきましても、組織の再編ということで、「高齢化社会の到来に伴い、保健・医療や福祉分野に係るサービスは、生活者の視点を重視する立場から、総合的・一元的に提供することが望まれる。このため当面は、保健・医療や福祉分野について、生活者の視点を重視した組織・機構の再編を図り、これらの分野に係るサービスの総合的・一元的な提供が実現できるよう努めるべきである。」としております。  本市におきましてもこれまで、保健、医療と福祉の連携を図るため、高齢者サービス調整チームの設置や、さらに本年四月には老人保健、医療、福祉を初め行政内部の高齢者施策全体や各分野の調整を行うため、福祉総合相談課を設置されております。しかしながら、いまだに一人の高齢者に対して、保健と福祉のそれぞれから縦割りのサービスが行われている例や、情報不足のために必要なサービスを受けておられない例も多いようであります。  そこでお尋ねをいたします。二十一世紀に向けて一層の高齢化が進展する中、一人一人の高齢者の方のさまざまなニーズに対応し、必要なときに必要なサービスを総合的に提供するため、今後本市において保健、医療と福祉の連携を強化する必要があると考えますが、組織の再編や高齢者情報の一元化などを含め、どのような方針で臨まれるお考えか、企画調整局長にお尋ねいたします。  引き続き、心身障害児の福祉についてお尋ねをいたします。  先日、私のところに一人のお母さんが来られて、そのお母さんの話では、子供が生まれてすぐは異常はなかったが、だんだん大きくなるにつれ発語がおくれていることに気づいた。どうしたらよいかと思い悩み、あちこち病院を転々としたりしたが、結局はっきりしたことがわからず、親の悩みは積もるばかりで、涙したこともたびたびあったとのことでした。最近になり自閉症と診断されましたが、訓練を受ければ何とかなるのではないかと思い、訓練を受けるところがないかと随分探し、保育園で障害児保育を行っていることを知りましたとのことでした。そのお母さんは、子供の障害のことで病院にも連れていかなければならないので働くことはできず、家庭におられるので保育園には入れませんでした。熊本市内にはこのように障害のある子供さんを持った御両親がたくさんいらっしゃると思います。  平成六年度の保健衛生年報によりますと、三カ月健診、七カ月健診で再検査が必要と思われる子供さんが約二千人ほどいらっしゃいます。このような子供さんたちは発達のおくれなどが発見されると、治療が必要な子供さんは医療機関での治療を受けることになります。症状が固定すると医療機関での治療は終了し、回復訓練、いわゆるリハビリテーションを行うことになります。  ここで、先ほどのお母さんは大変な御苦労をされております。と申しますのは、まず子供の障害のことについてどこに相談したらよいかわからなかったということで、だれにも相談することができず一人思い悩まれ、何度もまくらをぬらしたというのは決してオーバーな表現ではなかったと思います。さらに、訓練を受ける場所を探してかなりあちこちを歩き回っておられます。いろいろなところに尋ね、松橋町にある熊本県子ども療育センターにも行かれたそうですが、何分にも距離的に遠く、子供を抱えて通所するのは大変であったそうであります。  先ほど保育園の話をいたしましたが、本市で障害児保育を行うに当たっては、保育課を中心に福祉総合相談課における医学的検診や専門員による相談など、福祉関係各課の連携のもと、障害児の入園からその後の保育のフォローアップまで一貫した体制で行われていると聞いております。  確かに、障害児を健常児と一緒に保育することは、障害児の療育訓練のみならず健常児にもよい影響を与え、非常に有効な方法であることはわかっており、それゆえ熊本市においても法律等の範囲内において最大限の努力をされていると認識いたしております。しかし、障害児を抱えたお母さんは、子供さんを病院に診察に連れて行ったり、何もないときでも、いつ何どき何があるかわからないため、なかなか家を離れられない、仕事に行けるはずがないという現実がございます。  では、このような障害を持った子供さんはどのようにすればよいのでしょうか。  福岡市、北九州市には療育センターというのがございます。ここは障害の早期発見、早期療育を行う施設でございます。専門のスタッフをそろえ検査を行うとともに、障害についての診断、判定を行い、それに引き続き障害の状況に応じて専門の訓練士などが医師と一体となって訓練を行う施設であります。  熊本でこの療育センターに当たるのが熊本県子ども療育センターであると思いますが、先ほどの例のとおり、遠くてとても大変なわけであり、松橋町でも遠いのに、はるばる福岡市や北九州市の療育センターまで、本市から障害を持った子供さんを連れ、訓練を受けに行っていらっしゃることをたびたび耳にいたします。お母さん方の何とかしたいというお気持ちは、私でも本当に身につまされる思いがいたします。  私は、障害の早期発見、早期療育を行うことで、たとえ障害がなくならなくても、軽減されたりすれば日常生活が可能になり、子供の将来に大きく影響を与え、自立した生活が送れるようになるのではないかと考えるわけであります。
     障害の程度については、早期に訓練を行えば、より大きな効果を発揮することは皆さんよく御存じのことだと思います。障害を持つ子供さんのことを思う親の気持ちは皆同じであると思います。障害についての専門的な相談を受けたり、診断を受けたり、さらには訓練が受けられる施設が必要ではないかと思います。  そこで質問をいたしますが、熊本市においてこのような療育センターを建設する計画はないか、お聞かせを願います。        〔助役 御厨一熊君 登壇〕 ◎助役(御厨一熊君) ただいま竹原議員からの福祉あるいは衛生関連の御質問の中で、前段の問題につきまして、特に組織機構との関連での御質問でございますので、企画の方から御答弁させていただきたいと存じます。  先生の質問は、今後本市において保健、医療あるいは福祉の連携を強化して、その方向に進むために組織の再編や高齢者情報の一元化をどのような形で進めていくか、その方針を述べよと、このような趣旨であったかと思います。  御承知のとおり、高齢者問題はまさに今世紀二十世紀の我が日本の社会における第一級の課題の一つであろうかと思います。したがいまして、今まで市議会におかれましても、本会議あるいは委員会、その他いろんな局面におきまして、先生方の方からいろんな御議論をちょうだいいたしておりまして、心から感謝申し上げる次第でございます。現状、高齢化問題はもう私がここで申すまでもないことでございますが、まさに日本が世界に類を見ない速さで高齢化が進展しており、予測では西暦二〇二〇年(平成三十二年)には現在の高齢化率一五%が二五%へ進んでいく、四人に一人が高齢者になるいわゆる超高齢化社会と言われております。        〔議長退席、副議長着席〕  熊本市におきましても、全国平均に比べますとやや低いと思いますが、それでも確実に高齢化は進んでおります。現在一四%程度の高齢化率でございますが、平成十二年、西暦二〇〇〇年には六十五歳の高齢者の方々の数は恐らく十一万二千人、マスタープランに基づきまして人口七十万と仮定いたしますと、大体一六%の高齢化率になるのではないかと思います。  このような高齢化の問題の中で、いろいろ小さな問題、あるいは考えなければならない問題というのはたくさんございますが、大きく分けまして、全国的に見ましても二つの問題があろうかと思います。  一つは、この高齢化の中で、高齢化対策に対する総費用にどういうふうに対応していくか。国、県、地方が従来のような費用負担という形で今後高齢化社会に対応できるのか──恐らくできないであろう。そうすると、それをどのような形でやっていくか。国におきましては現在介護保険の九年度導入に向かって──これは、九年度導入というのは私は非常に難しいと思いますが、九年度導入に向かって検討をされている状態でございます。  それからもう一つの問題は、高齢者の方々に対して、保健、医療、福祉の総合的なサービス提供というものを基本にしながら、要介護者の一人一人の状態にきめ細かく合わせた、その実態に合わせた介護サービスがどのように模索されなければならないかと、この点が、特に現場機関でございます、あるいは窓口機関でございます市町村、私どもの大変重要な課題になろうかというふうに思うわけでございます。  このようなニーズに的確に対応していくために、内容の充実と、あるいは今御質問で御指摘のありましたマンパワーの確保、あるいは福祉センター、老人ホーム、その他今後考えなければならないような老人保健施設のいわゆるハードの計画、平成十一年度を目標といたしました老人保健福祉計画を昨年の二月に策定し、かつまた三角市長によりまして本年春、福祉総合相談課を設置させていただいたわけでございます。おかげさまで、この相談課、最近では月に五、六百件の御相談があっておりまして、大変な効果が出てきつつあるというふうに私ども理解させていただいておりまして、今後とも先生方の御指導を賜りたいと、このように思っております。  そこで、サービスの提供の問題でございますが、福祉部門におきましては、これも竹原先生おっしゃいましたように、既に本年二月に老人福祉課を中心といたしまして高齢者サービス調整チームを設置いたしております。これは老人保健法その他の改正を受け、そして先ほどの総合保健福祉計画、老人保健福祉計画をもとにいたしまして、サービスというものをどのようにやっていくかということを検討することが既に福祉の方で二月からスタートいたしております。  一方衛生部におきましては、これも昨年の七月に保健所法が地域保健法に改正されております。これを受けまして、ことしの五月に、衛生総務の方で地域保健機能強化検討プロジェクトを設置いたしました。この法律の施行は再来年四月一日の実施でございます。その実施に合わせた検討を進めております。保健所あるいは保健センターはどのようなあり方の方がいいのか、その整備計画の内容はどういうふうにしたらいいのかという計画を現在進めているわけでございます。  この二つのプロジェクトが、実はまさに竹原先生にきょう御質問いただきましたものとぴったり目標を同じにしたものであろうというふうに思うわけでございます。したがって私は、この二つの研究プロジェクトを鋭意進めておりますが、どのように効率的にこの二つのプロジェクトを合体していくか、総合化していくか、そこから両者の統合の問題が一つの方向として見出されていくのではないかと、このように考えております。  その際、御指摘の方針をどう考えるかでございますが、私は高齢者に対する福祉介護サービスが、内容的に現実の要介護者に個人個人のニーズに合ったサービス提供ができるように考えなければならない。それからもう一つは、行政サービスとして、しかも効率的な行政サービスとして、何といいますか、その地域地域の実態に合わせたサービス、言うならば熊本市全体の中で、マクロで考えますとどうしてもラフになりますので、ローカルなサービスというものをどのようにセットしていくことが我々にできるのか、このことを基本的な物の考え方として詰めていかなければならないと。  サービスの内容というのは、ホームヘルプサービスがございますし、それからデイサービスがございます。ショートステイサービスがございます。あるいは入浴サービスとか、清拭サービスとか、それから訪問看護、生活訪問指導、あるいは最近は歯科の治療、サービスの種類がたくさんございますが、その種類ごとにそれぞれの専門家の方々が、ヘルパーとか栄養士さんとか、看護婦さんとか、そういう方が縦割りにずっとサービスをしているものをいかに横につないでいくか。例えば介護者に一週間サイクルとか月サイクルで、その要介護者のニーズに合ったようなサイクルの介護をしていく。例えば看護婦さんはきょうも来た、栄養士さんもきょうも来た、お医者さんもきょう来た、あと三日ばかりだれも来なかったと。そんなことでなくて、すべてのサービスというものがバランスよく効率的に、しかもニーズに合ったようにローカルに即応性のあるものをつくっていく、これが私は御指摘の組織の再編成や高齢化、情報化の一元化の大きな方針、前提であろうかというふうに思うわけでございます。  ただ、今御質問の中でございました保健福祉センターでございますか、政令市等で現実に施行されております、まさに理想的な我々が目指す方向の一つではないかと思います。しかしこの問題、財源の問題、マンパワーの問題も絡みますが、今世紀からさらに二十一世紀へ向けての総合的な行政の目標ではないかと思います。  平成九年の地域保健法の施行、それから平成十一年の老人保健福祉計画の目標、それぞれタイムラグがございますので、この辺の調整をしながら、機構といたしましては、先般三角市長からその方針をお答え申し上げましたが、課題に的確に対応する組織、将来を見通せる組織、簡素で効率的な行政システム、そして市民にわかりやすく市民生活に密着した組織と、そういう原則のもとで、今のような方針で持っていきたいと思いますが、今後、特に議会におかれましては、十分御議論、御指導を賜りながら、短期的に解決するもの、中期的に対応できるもの、二十一世紀を見据えて長期的に検討をしていくもの、それぞれに分けながら十分検討させていただきたいと、このように考えておりますので、御指導方、よろしくお願い申し上げます。        〔市民局長 市原敏郎君 登壇〕 ◎市民局長(市原敏郎君) 竹原議員にお答え申し上げます。  ただいまはあるお母さんの一例を通じて、障害児とその家族の方々の厳しい現実と先進都市の取り組みなどを交えて、早期療育の必要性について御案内いただき、深く感銘をいたしておる次第でございます。  議員御案内のとおり、障害の早期発見、早期療育は、障害を持つ方々の一生に大きくかかわりを持つものであります。私も、いろいろな事例を通じ、その重要性、必要性を深く認識しており、現在、早期療育施設、センターと申しますか、この調査を進めております。  これまでの調査によりますと、療育センターの機能で一番最初に必要になりますのが、議員も御指摘いただきましたように、保護者の方々がどこに相談に行ったらよいかわからないと、この不安を解消するため、いつでも専門の相談を受けられることであると、このように考えます。相談は、家族の方々の不安を解消するとともに、障害に対する理解と障害を持つ子供の療育方法について大きな方向を示すことになります。  療育方法については、子供の状況を通園させながら判断したり、医学的診断による適切な判定が重要になるということは言うまでもありません。相談員、検査員、医師などが一体となり、他の施設や機関との連絡調整を行いながら療育方法を決定することになります。  したがって、相談、検査、診療を一つにした部門が療育センターにおいて最も重要な位置を占めることになります。さらに、一生涯を通じて質の高い生活を送るための療育訓練を行う場も必要になってまいります。障害にはいろいろな状態があります。軽度から重度といった程度の状態、また異なった障害が重複している場合もあります。どのような状態の障害であっても療育訓練が受けられる通園部門も必要となります。この二つの部門が有機的に連携し、活動することにより、障害児の早期発見、早期療育が行われ、地域に生活する障害児の総合的なサービスの調整機能が発揮されると、このように考えます。  全国にいろいろなタイプの療育センターがあろうかと思いますが、本市にはどのようなタイプが適切であるか、あるいは施設の規模はどの程度か、またスタッフはどのような職種が必要であるかを具体的に検討する必要があると考えます。  したがいまして、療育における専門家の皆さん方など、いろいろな方々に御意見をお聞きするなど、早期療育施設の建設に向け検討してまいりたいと、このように考えます。        〔十六番 竹原孝昭君 登壇〕 ◆十六番(竹原孝昭君) 御答弁ありがとうございました。  保健、福祉行政に対するニーズが高度化、多様化する中にあって、福祉部門と医療、保健部門の連携が不可欠であることは御案内のとおりでありまして、当局の早急な対応をお願いいたします。  また、人はだれでも老いるものであり、老人福祉問題に対する一般的な関心も高く、経済的需要も見込めることから民間活力の活用も期待できますが、障害者問題におきましては、本人や家族の切実な思いに比べて一般の関心も決して高いとは言えず、それゆえ行政の果たすべき役割が非常に大きいものであります。  県議会議員時代から、高齢者・障害者にやさしいまちづくりに積極的に取り組んでこられた三角市長を初めとする市当局の今後一層の福祉行政推進をお願いいたします。  ところで、療育センターに関しましては、平成十二年までに、簡単な訓練が身近でできる地域療育センターを県内十カ所に設置する方針を既に熊本県が打ち出しております。この施設は、専門職員を配置して、治療後の障害児に訓練を施すもので、月一回は松橋にある子ども療育センターの専門スタッフが巡回するものです。私は、この制度を受け入れ、まずは訓練に通う障害児の家族の負担を少しでも軽減し、行く行くは本市独自の治療から訓練まで一貫してできる療育センターを整備していくような段階的取り組みも必要ではないかと考えます。またこういった施設は、必要としている人が知らなければ何にもならないもので、今後、市政だよりなどを利用した広報の充実にも力を注いでいただきたいと思います。  次に、市庁舎内の執務スペースの不足についてお尋ねをいたします。  現庁舎での業務が開始され本年で早くも十四年目を迎えております。建設当初は、合理的、機能的に仕事ができるように最善の配慮がなされ、特にオープンフロア方式の採用により、市民にとって利用しやすい、親しみやすい庁舎として、風格ある外観とともに他にも自慢できるものでした。ところが、十四年が経過しました現在、風格ある外観は変わっておりませんが、庁舎内部の状況は大きく変化をしております。  私が庁舎内を見渡して感じましたことを二、三挙げさせていただきますと、書類が執務スペースの机の周りやカウンター、キャビネットの上に山積みされており、ひどいところでは、だれもが利用する通路にまで置いてあります。大事な書類がなくなったりなどの問題が発生しないかと危惧の念を抱いております。またある課では、職員の方々が座っているいすの後ろを通るのが難しいほどに狭いところがあり、執務環境としても問題があると感じております。  このような状況では市民サービスの低下を招き、市役所のイメージも悪化するのではないかと非常に心配するところでございます。よくよく見ますと、部署によってはスペースにゆとりがあるところも見受けられ、アンバランスな配置となっているようであり、各部署の配置やスペースの割り当てを見直すことも必要だと思います。  また、このようなスペースの不足の原因を考えてみますと、やはり合併や行政ニーズの多様化、高度化などにより予想以上に事務量が増加し、それに伴う事務書類の増加が大きな原因であろうと考えます。各課で一日に作成される書類はかなりの量になり、長期間には、ちりも積もれば山となるといった例ではございませんが、置き場がないほどに膨大な量となり、結果的に、そのしわ寄せが日常業務を行う執務スペースにまで及んだと言えます。  そこで、スペース確保には膨大な書類の整理が必要かと思われます。はんらんする書類を光ディスクなどにデータとして格納することでペーパーレス化を進め、保管スペースとなっていたところを執務スペースとして利用できるようになるかと思います。  そこでお尋ねをしますが、来年四月から中核市としてスタートし、今後さらに事務量増加が予想される中、庁舎内のスペースの有効利用を図るためにも文書管理の徹底を図るとともに、各部署の再配置について総合的に見直すべきだと考えますが、総務局長に御答弁をお願いいたします。        〔総務局長 野田晃之君 登壇〕 ◎総務局長(野田晃之君) 庁舎の執務スペースの問題につきましてお答え申し上げます。  庁舎内の執務スペースでございますが、本庁舎は建設以来十四年を経過し、その間行政需要の拡大並びにニーズの多様化、さらには飽託四町との合併によります事務量の増加等によりまして、執務スペースの不足が生じているのは事実でございます。  これまで、花畑町別館及び民間ビルの活用によりまして、その確保に努めてまいったところでございますが、一部で極端に事務スペースの手狭な課があったり、同じ局の部、課が分散するなど都合の悪い点も見受けられる状況となっております。また、来年四月からは中核市としての事務量の増加も見込まれており、これらに対応するためには根本的な部署の再配置を検討する必要があると考えております。  したがいまして、この問題につきましては、市民サービスの向上を第一とし、議員御指摘の光ディスクの活用など文書の整理手法の徹底はもとよりでございますが、今後の組織の再編等にも配意しながら、できる限り同一部門をまとめた形で、なおかつバランスのとれた事務室の配置に努めてまいりたいと考えております。その中での事務スペース及び会議室の絶対面積の不足につきましては、議会のお許しがいただけますならば、近隣民間ビルのさらなる活用につきましても検討させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。        〔十六番 竹原孝昭君 登壇〕 ◆十六番(竹原孝昭君) 御答弁ありがとうございました。  事務量の増大などによる執務スペースの不足を解決するためには第二庁舎を建設することが一番よいことはだれもが認めるところであります。しかしながら、現在の財政状況を考えますとほとんど不可能に近い話であり、部署の配置の見直しなど限られたスペースをいかに有効に使うかに最大限の努力をしなければなりません。「不可能なことは仕方がないが、努力してできることはやる」が、私の持論でございます。当局の今後の取り組みに期待するものであります。  さて、最後になりましたが、ここで第四回九州市議会議長会欧州視察研修について、手短に御報告をいたしたいと思います。  この視察は、去る十月七日から十八日までの日程で、イギリス、ドイツ、デンマーク、フランスの四カ国を訪問し、社会福祉や環境問題を中心に視察研修を行ったものであります。今回の研修で私が一番強い印象を受けたことは、まさに百聞は一見にしかずで、環境問題に対する認識の深さと徹底した取り組みでありました。  ヨーロッパ諸国におきましては我々が想像する以上に、廃棄物の処理やリサイクル、さらに大気汚染など厳しい基準を設け、行政、経済界、市民のそれぞれの立場で環境の維持、改善に努めており、私たちはこれらの先進的な取り組みに触れ、我が国あるいは本市におきましても、官民一体となったより一層の環境保全の推進を図るべきであると痛感いたしたところであります。また今日の国際化社会におきましては、グローバルな視野に立った発想や世界各国の人々とのコミュニケーションが求められており、教育の場における語学教育の重要性を改めて認識いたしました。  時間の都合ですべてを詳細に御報告できないことが残念でございますが、今回の研修で得た貴重な成果を市民の方々にいかに還元できるか、今後の市政の運営や施策の充実に反映できるよう、関係各位の御協力を得ながら努めてまいる所存であります。  本日は、本市の財政問題を初め、欧州視察で認識を新たにした環境問題、福祉問題を中心にお尋ねをいたしましたが、熱心に御答弁をいただきました三角市長を初め執行部各位にお礼を申し上げます。また傍聴の皆さん、そして議員各位におかれましても、長時間にわたり御清聴を賜りまして心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)      ──────────────────── ○副議長(荒木哲美君) この際、議事の都合により休憩いたします。  午後二時に再開いたします。               午前十一時三十二分 休憩               ────────────               午後 二時  二分 再開 ○議長(荒木哲美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) 質問を続行いたします。磯道文徳君。        〔三十番 磯道文徳君 登壇 拍手〕 ◆三十番(磯道文徳君) 公明の磯道文徳です。質問通告の一部を変更してお尋ねしてまいります。  まず、就任一年目を迎えられました三角市長にお伺いいたします。  先月、地元小学校の開校二十周年の記念式典の祝辞で、市長の代理として出席された吉野部長の発言に心を打たれました。壇上に上がり、子供たちの顔を見回し、「皆さんの、話を聞く姿勢がとてもすばらしいので、その様子を、帰りましたら市長にすぐ報告をいたします。」と述べた後、市長の祝辞を代読されました。その後、子供たちから花壇に植えていた各種の花の種を記念品としていただいていましたので、環境クラブの子供たちの手を挙げさせて、「いただいた花の種は、皆様の真心として必ず市長にお渡しいたします。」とやさしくあいさつをされました。  今まで、小学校、中学校とさまざまな会合に出席してまいりましたが、このように、子供たちの目線に立ち、子供たちの心をつかむ光景は余り見たことがありません。もちろん、参加していた子供たちの態度も、寒い中ではありますが、非常によかったのも事実です。しかしながらそこには、市長が常日ごろ言われている双方向の対話、心豊かな人情味あふれるまちづくり、家庭の延長に校区があり、校区が集まって熊本市がある。いわば市全体が一つの家庭であるとの思いが、市幹部の中にも徐々に浸透していった結果であると感じたりもいたしました。  三角市長はこの一年、市民交流サロンの開設、そして市民との直接の対話、出前交流サロンの実施、さらには、先月から校区別に開く市政懇談会の開催等々、あらゆる形であらゆる市民の方々との対話を基調にしてこられました。これらの対話の積み重ねが今後の市政に反映されることを期待するのは、決して私一人ではないと思います。  と申しますのも、私たち公明も、ツーウエイ運動と称して数年前より市民の方々との対話を中心に現場第一主義で諸問題に取り組み、さまざまな形で提案を行い、施策の見直し等に取り組んできたからです。市は絶対に私物化してはならない。市は言うまでもなく市民全体のものだからですとの三角市長の言葉に深い感銘を覚えます。また、あるマスコミも「双方向の対話をキャッチフレーズにした姿勢は、その気さくな人柄と県議時代に培った政治感覚とともに、市民から一定の評価を受けている。」と評しております。  そこで、三角市長御自身、この一年をどう総括されておるのかお聞かせいただきたいと思います。  また、対話の市政は具体的な成果が問われる実働段階に入るとも指摘されております。市政には財政問題や都市計画、防災対策や交通問題等々、大きな課題が山積しているのも事実であります。これらの諸問題を前に、今後の市政へ取り組む三角市長の決意や重点施策、将来のビジョンなどをあわせてお伺いいたします。        〔市長 三角保之君 登壇〕 ◎市長(三角保之君) ただいまは磯道議員からいろいろ身に余るお言葉をいただき、心から感謝を申し上げます。  今、ある小学校のお話を例にとっていただきましたけれども、部長から、帰られて早々いろいろお話をお伺いいたしました。子供たちの態度が非常によかったと、大変感銘をしたというふうな教育現場出身の部長の話に私も大変感激をいたしたところでありますが、そのとき手づくりの花の種あたりをいただきまして、非常に私も感激をいたしまして、早速子供たちに手紙を書かせていただいたところでございます。細かい点までお心遣いいただきお褒めをいただきまして、本当に重ねて御礼を申し上げる次第でございます。  先日、中沢議員や税所議員にお答えいたしました内容と一部重複する点があるかもしれませんけれども、あらかじめお許しをいただきましてお答えをさせていただきたいと存じます。  市長就任以来、早くも一年が経過いたしました。この間、予想した以上に多忙な毎日が続く中で、ともすれば行事や来客に追われ、十分な勉強や対応ができなかった面もあるのではないかと、大変反省をいたしているところであります。  振り返ってみますと、この一年間、実にいろいろな出来事がございましたが、私は、市政の主役は市民であるとの観点から、市民主体の市政はまず市民との双方向の対話を基本に据えること。そしてそこから、市民生活の安全を守るための防災対策の充実、環境教育や福祉教育等を通した豊かな心の涵養、将来に向けた都市基盤の整備等々を重点課題として精いっぱい取り組んできたところでございます。  中でも特に、市民との双方向の対話を進めるために、本年四月に市民交流サロンを設置いたしますとともに、先日は初めて地域での市政懇談会も開催しましたが、多くの市民の皆様とじかに福祉、教育、交通などさまざまな地域の課題についてお話しさせていただく中で、お互いが率直に意見を交換し、お互いを理解し合うことの重要性を再認識しているところであります。  したがいまして、今後とも、できる限り多くの市民の皆様の御意見や御要望を直接お聞きしながら、多様化する市民のニーズを的確に把握するとともに、地域づくりはそれぞれの地域の皆様方とともにという市民の自主的な地域づくり活動の促進にも努めてまいりたいと考えておるところでございます。  しかしながら、議員御指摘のように、二十一世紀に向けて、都市計画の問題、防災の問題を初め、雇用や産業の問題、福祉、健康の問題、教育の問題等々解決すべき課題は山積をいたしております。  今後は中核市の指定を一つの契機とし、執行体制の見直しや職員の意識改革などを進めながら、わかりやすく効率的な行政運営に努めてまいりますとともに、すべての市民が幸せを感じられるまちづくりを目指して、市民の健康と安全の確保、熊本らしいまちづくりや産業の振興、心豊かで創造的な人づくり等々を施策の柱として、行政の力と民間の力が相まった効果的な都市づくりを、議員の皆様と一緒になって進めてまいりたいと考えておるところであります。        〔三十番 磯道文徳君 登壇〕 ◆三十番(磯道文徳君) 市民との双方向の対話、これを基調に熊本市勢発展のために、今からまた予算編成等大変な時期を迎えますが、御自愛の上、頑張っていただきたいと思うものでございます。  福祉問題に入らせてもらいます。  老人保健福祉計画の見直しを来年度に控え、提案も含めてお伺いいたします。  昨年二月に策定されました老人保健福祉計画について、昨年、今年と人的確保、介護支援センターの設置、デイサービスセンターの設置など、平成十一年を目標に着実に進めておられるところですが、現在までの進捗状況を簡単に教えていただきたいと思います。  また、同計画は在宅介護支援センターの増設を求めており、最終目標としては中学校区に一カ所の三十五カ所となっており、現在まだ二十カ所となっております。そこで提案ですが、現在の保健所、保健センターを活用し、在宅介護支援センターを併設してはいかがでしょうか。  さらには、福祉部門をドッキングして保健福祉センター的役割を持たせたらどうでしょう。この質問は午前中の質問と全くダブりますので、本来であれば御所見を伺いたかったところでございますが……。そのためには、大英断を要すると思いますが、思い切った機構改革に取り組まれるよう強く要望しておきたいと思います。  また、二十四時間対応の巡回型ホームヘルパーの調査を行っておられます。この調査の結果と今後の取り組みについて御報告をいただきたいと思います。  老人保健福祉計画の計画策定の趣旨に、我が国は平均寿命の伸長と出生率の低下を大きな要因として、世界でも例のない速さで高齢化が進んでいると記しています。現計画においては目標年次を十一年と定めていますが、本市の統計くまもとから見ると、一番高齢化が著しくなると予想される平成二十三年から二十八年ごろは、現計画の発想の延長上では財政面でも支え切れない状況が予想されます。  そこで、ないがしろにしてはいけないのが少子社会の問題です。こどもの日にちなんで総務庁が今年五月四日に発表した「わが国のこどもの数」調査によりますと、総人口に占める十五歳未満の子供の割合は一六・一%と八年連続で戦後の最低記録を更新しており、ついに主要先進国の中でも最低水準になったとあります。  こうした現状に拍車をかけているのが少子化の進行です。子供の数が減っていくことは相対的に高齢化の比率を上昇させ、我が国の高齢化を一段と加速させることになります。少子化によって高齢者比率がふえ労働人口が減っていけば、社会の活力低下は否めません。社会保障の面では、お年寄りを支える介護マンパワーの不足や、現役世代の負担の増加を招くことにもつながります。つまり、単なる高齢者対策だけでは超高齢化社会を迎えるための施策としては不十分と言わざる得ません。  そこで、今の段階から、少子化の問題を初め前期、後期高齢者の関係、保健、医療、教育等総合的な見地から、より多くの元気な高齢者のいる最終的な長寿社会のあるべき姿を目指した文字どおり総合的な見地からの施策を行うべきであると考えますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。  話は変わりますが、私の友人に四十三歳のY君がいます。彼は数年前、突然原因不明のまま大学病院で余命一年と宣告されました。病名は筋萎縮性則索硬化症という初めて聞く難病でした。発病当時は、全身に湿疹が出て、肝臓かなと言っていたんですが、なかなか完治しません。大学病院に通院しておりましたが、さっぱり原因もわからず、もちろん湿疹も取れません。そのうちに歩行機能も低下し入院。治療の方法がないまま数カ月がたち、さきの宣告を受けました。  治療の方法がないため自宅に帰され、初めのうちは自分で歩き、自分で物をつかみ、自分のことは自力で行っていましたが、半年もたつと、物を持ったり歩いたりすることが徐々にできなくなってきました。奥さんは近くに勤めていましたので、仕事の合い間を見て、自宅に帰って夫の世話をしていたのですが、そのうち病状も悪化し、倒れたら自力では立てなくなってしまいました。とうとう仕事をやめ、介護のみの生活に入りました。その間、障害者手帳の申請とか保護の申請とか相当の時間がかかりました。借家住まいでしたので、改造するにもできないという問題もありました。病状が進行する中、一つ一つをクリアしながら、本人に言わせればミノムシと同じという状態で、数年前に余命一年と宣告されたのにも動ぜず現在もこの難病と闘っております。ほんの一例に過ぎないことですが、まだまだ多くの方々がさまざまな条件の中で、生きるために闘っておられます。  まず、このY君の場合、身体障害者手帳の申請をしたところ、一度返却され、結局、交付まで数カ月かかってしまいました。本市は、先日、八日に中核市関係政令の公布を受け、新年度から身体障害者手帳の権限も本市に移管されます。この障害者手帳の判定会議ですが、県は三カ月に一回の開催でした。Y君に限らず、市民はスピーディーな対応を望んでいます。本市の対応はどうなるのか、お伺いいたします。このY君の事例からも察していただけるように、障害者の方々に対しての対策そのものが非常におくれていることも否めません。  そこで、老人保健福祉計画の中でのさまざまな対応ができないものかお伺いいたします。  あわせて、障害者福祉施設、民設民営型福祉ホーム等の調査の進捗状況と今後の取り組みをお聞かせください。  引き続き福祉の問題をさせてもらいます。
     先ほど少子化社会の点に若干触れましたが、少子化の背景には、晩婚や未婚率の上昇を初め、子供の生活を豊かにしたい、子育てだけにとらわれず、自分自身の可能性を伸ばしたり、生活を楽しみたいという個人の生き方や価値観が反映している側面は否定できません。しかし現実には、仕事と育児の両立が非常に難しい、教育費が高過ぎる、住宅事情が悪いなどの子育て支援策のおくれから、産みたくても産めないのが大半の姿であり、これが少子化を進行させている大きな圧力になっている事態は断じて改めなければならないと思うのは私一人ではないと思います。  私も、決して悪いことはしていませんのに、今どき五人も子供がいるんですかと言われると、何か悪いことでもしているかのような気持ちに駆られる風潮があるほどです。まずは政府みずからが、育児休業制度や保育サービスの拡充はもとより、過大な教育費負担を生んでいる現在の教育制度を抜本的に改革することなどに全力で取り組むべきと思います。  一方、少子社会は戦後日本の高度成長や都市化がもたらした豊かさの帰結とも指摘されていますように、産みたい人が産める状況が整ったとしても、出生率が今後大きく回復するとは考えにくいと思われます。その意味からはやはり、少子社会をただ否定するのではなく、前向きにとらえて対応していく総合的な政策が必要と言えると思います。次代を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを進めていくことは、二十一世紀の少子、高齢社会に向けて、我が国が活力ある福祉社会を築いていく上で今や高齢化施策と並ぶ重要な政策課題であると平成七年の厚生白書にも述べてあります。  そこで保育関係についてお伺いいたします。  私どもはこれまでも、この保育の問題についてはあらゆる角度よりさまざまな政策を提案してまいりました。これは香川県の高松市の例ですが、少子化対策をまとめ、柱として保育料と幼稚園授業料の保護者負担の軽減を十一月から実施しております。減免措置の対象となるのは、十八歳未満の子供を三人以上育てている世帯で、第三子以降が保育所、幼稚園に入園しているケースで、保育料、幼稚園授業料とも原則として一定の所得(税額)に満たない世帯を無料、それを超える世帯は半額となっております。  保育料の減免は、認可保育所の場合、前年分の所得税額が九万円未満の世帯は全額を軽減、無料になり、それ以上の世帯は半額が免除されます。また、無認可保育園──ベビーホテルとか企業内保育所なども含みますが──についても同じ所得基準を適用し、月額一万円、五千円をそれぞれ助成することになっております。  幼稚園の授業料については、市立の場合国庫補助の就園奨励費を受けている市民税所得割額二万六千円以下の世帯は奨励費を優先し、残り全額を免除(無料)に、二万六千円以上の世帯は一律半額になります。私立幼稚園も同じ税額基準を設定し、二万六千円以下の世帯は就園奨励費の限度額(年額十一万七千円)から実際に給付されている奨励費を差し引いた差額を助成する。ただ私立の場合、授業料(平均年額約十五万六千円)が奨励費の上限より高い幼稚園が多く、無料になるケースは少ないのが実情です。さらに、税額が二万六千円を超える世帯は差額の半分を助成します。国立も同じ税額基準で全額助成と半額助成に区分するというものです。  今までもさまざまな形で検討がなされてきたかと思いますが、保護者にかかる保育料の負担は相当なものです。某損害保険会社が一昨年、子供一人の誕生から大学卒業まで二十二年間を試算したデータがあります。それによりますと、幼稚園から大学まですべて公立の場合で何と二千七百九十三万円、すべて私立の場合だと三千五百六十九万円となっています。保育園に通う子を持つ親はまだまだ若く、保育料のために共働きでも足らないというケースもあるくらいです。  少子化に歯どめをかける政策としても、また今後の高齢化社会を考えれば、今からこの少子化問題には真剣に取り組むべきと考えます。保育料の減免も含め何らかの施策を実行すべきと思います。市民局長の御答弁を伺います。        〔市民局長 市原敏郎君 登壇〕 ◎市民局長(市原敏郎君) 磯道議員にお答えを申し上げます。  老人保健福祉計画は平成六年二月に策定いたしまして一年十カ月が経過いたしております。この間の進捗状況につきましては先日税所議員にもお答えしたところでございますが、まず施設整備面について申し上げます。  特別養護老人ホームにつきましては、民間による整備を進め、計画策定後二カ所が建設され、現在十一カ所となっております。さらに今年度二カ所が建設中でございます。  次に、デイサービスセンターにつきましては、痴呆性専用とあわせまして、今年度九月に建設いたしました西里デイサービスセンターが計画策定後五カ所目でございまして、現在十七カ所となっております。また三カ所を整備中でございます。  次に、在宅介護支援センターにつきましては、特別養護老人ホームを有する社会福祉法人、あるいは老人保健施設等を有する医療法人を母体として、その設置を進めております。計画策定後六カ所を設置いたしまして、現在二十カ所となっており、今年度末には二十一カ所になる見込みでございます。  次に、制度面の整備状況について申し上げます。  平成七年二月から高齢者サービス調整チームを在宅介護支援センターごとに設置いたしまして、現在までに十三回の調整会議を開催し、保健、福祉、医療はもとより、家族や地域の強い連携によって高齢者の在宅生活を支援しているところでございます。  次に、ホームヘルプサービスについてでございますが、社会福祉協議会、福祉公社に加え、在宅介護支援センターにも委託を拡充いたしました結果、待機者が解消され、さらに緊急時の派遣が可能になってきたところでございます。また、早朝や夜間、派遣回数の増、あるいは巡回型のサービスの実施に向けて検討を重ねてまいります。  次に二十四時間巡回型ホームヘルプサービスの調査についての御質問でございますが、社会福祉協議会等のホームヘルパーによりまして、八百三十七名のホームヘルプサービス利用者の方に対しニーズ調査を実施いたしました結果、一日に二回以上の利用を希望される方が六十二名、毎日の利用を希望される方が五十四名いらっしゃいました。既に幾つかの都市では二十四時間巡回型ホームヘルプサービスの取り組みが開始されつつありまして、実施に伴う問題点や現状を細かく調査した上で、サービスについてはできるだけ早い時期に実施していきたいと、このように考えます。  次に中間見直しについての御質問をいただきましたが、計画策定後二年目となり、この間、国においては老人保健福祉審議会の中間報告によります高齢者の自立支援を基本とした新介護システムの確立の中で、高齢者自身がサービスを選択できるシステムや社会保険方式の導入などが検討されておりますように、介護を取り巻く問題も社会情勢に合わせて変化をしてきております。  また、長寿化や少子化の進展等に伴い、高齢化が急速に進み、現在一四%の高齢化率が、計画目標年度の西暦二〇〇〇年には一七%に、さらに西暦二〇二〇年には二五%を超えるものと予測されており、特に七十五歳以上の後期高齢者の増加により、介護を必要とする高齢者が大幅に増加するものと見込まれております。  さらに、先ほど議員もお触れになりましたように、少子化の進展に伴い、いわゆる一、二、四現象と言われるように、一人の子供が二人の両親とさらに四人の祖父母を持つという状況も見受けられるようになり、若い世代に相当な負担がかかってくると思われます。  また介護に必要とする経費は、国の試算によりますと、家族介護のコストを含め、現在の三・五兆円から西暦二〇〇〇年には七・七兆円になると予測しており、厳しい財政状況の中で財源の確保についても一段と難しくなることが見込まれております。  議員御指摘のとおり、西暦二〇二〇年以降の高齢社会のピーク時を乗り切るためには寝たきりや虚弱にさせないことが非常に大切でございまして、いつまでも元気で暮らしていただけるための対策も重要であると考えます。  このため、高齢者に適したスポーツや手軽に楽しめるレクリエーションなどを通じた健康づくり、あるいは趣味や教養を高める生涯学習、さらには校区社会福祉協議会が取り組んでいるボランティアなどの地域福祉活動や、高齢者同士がお互いに支え合うふれあいアンドヘルプ事業などの生きがい健康づくりについても重要な視点であると考えております。この計画の見直しにおいては、社会情勢の変化を的確につかみながら、利用者本位の視点に立った見直しを行いたいと考えております。  いずれにしましても、高齢者問題は全庁的な課題であると認識しており、関係部局と十分連携しながら取り組んでまいりたいと、このように考えます。  次に、身障者問題にお答え申し上げます。  議員御案内のように、重度の障害者の方で在宅生活をされている方が本市においても多く見受けられるようになりました。最重度の障害の方が入所をする身体障害者療護施設から、在宅生活を希望しひとり暮らしを始められるケースもございます。  このような最重度の方は、食事はもとより、一人で寝返りすることもできない重篤な障害の方であるため、一日一回のホームヘルパーの訪問では生活を維持するには十分ではなく、公的サービス以外の部分については、御案内のとおり個人でボランティアを確保したり、有料の民間サービスを受けながら日常生活を送っていると、このような現状であります。  ホームヘルプサービスは、食事介助や排せつ介助などの在宅生活の基礎となる部分について公的なものとして行う必要があり、特にひとり暮らしなどの最重度身体障害者については二十四時間体制でのサービスの実施が必要であろうかと考えます。老人保健福祉計画でもこのような計画であります。身障者についてもサービス供給主体の多元化や二十四時間での体制を含めたサービス時間の拡大を図るため事業の実施を検討しており、新年度予算に反映させるべく努力をしてまいりたいと考えます。  また、老人保健福祉計画の対象とならない若年の障害者の介護以外の施策についての問題は依然として残っておろうかと思います。本市は、本年度において障害者基本計画の策定を行う予定でおりますが、その中で障害者の各ライフステージに応じた施策が盛り込まれ、若年の障害者施策は障害者基本計画において事業の展開を図ることとなります。この計画には保健部門の事業も含まれ、保健と福祉の連携も当然必要なものになると想定されております。  したがいまして、老人保健福祉計画と障害者基本計画との関係は整合性を持ったものにならなければならず、平成八年度の老人保健福祉計画の見直しの際には障害者を対象としなければならないと、このように考えます。  次に、身体障害者手帳交付時期の短縮と、このような御質問でございました。お答えを申し上げます。  身体障害者手帳の交付に関し重要なことは障害程度の認定であり、これで障害の等級が決定をされます。決定の方法は大きくは三つの手順に分かれます。一番目には、診断書をもとに障害程度認定基準に照らし事務的に決定ができるもの、二番目には、主治医の意見を聞かなければならないもの、三番目には、身体障害者福祉専門分科会審査部会の意見を聞かなければならないものに分かれるかと思います。  来年四月からの交付に当たりましては、事務的に決定できるものについては、スムーズな交付ができますよう本年十月から熊本県の方へ職員を派遣し研修を開始しております。また、審査部会の意見を聞かなければならないものについては、先ほど議員もお触れになりましたように、現在、熊本県が三カ月に一回行っている審査会の回数を、審査委員の協力を得ながら二カ月に一回開催するなど、いろいろな方策を検討し、でき得る限り迅速な交付に努めてまいりたいと、このように考えます。  次に、民設民営型福祉ホーム及び障害福祉施設の調査の経過について御報告を申し上げます。  知的障害者の社会参加や自立の促進を図るためには、知的障害者を取り巻く環境を整備する必要があります。その一つが知的障害者に生活上の助言を与えながら住まいを提供する福祉ホームであると考えます。  本市は、福祉ホームの設置は知的障害者の自立に効果的な事業であると認識し、議員御案内のとおり施設の調査を開始したところであります。民設民営の福祉ホームでありますので、設置に意欲的である社会福祉法人熊本市精神薄弱者育成会と協議を行っております。  平成七年五月二十二日には、育成会の役員の方々と同行し、大分県豊後高田市で精神薄弱者福祉ホームなどを運営する社会福祉法人を視察し、施設の概要、運営の方法などについて調査を行っております。この福祉ホームは、知的障害者の授産施設と知的障害者を雇用する有限会社が同一敷地内にあり、知的障害者の交流や施設同士の連携をとり合っている様子は、大変自立に有効であると認められております。  その後、育成会では、福祉ホームの設置に向け建設検討委員会が設置され、施設の内容など、本市と協議しながら熊本型の福祉ホームの建設に向け検討が続けられております。今後も、引き続き建設に向けて必要な協力、支援を行っていきたいと考えます。  次に、少子化問題への対応についてお答えを申し上げます。  少子化の進行に伴い、議員御指摘のように、いろいろな問題が予想されております。次代を担う子供たちはまさに国の宝であり、こうした子供たちを健全に育成していくことは社会の責務であろうと考えます。  これからは、子供同士や高齢者との触れ合い、ボランティア体験、遊び場の確保など、子供たちを取り巻く環境の整備などを通じて、子供たちの豊かな人間性をはぐくみ、健全に育成していくとともに、仕事と子育ての両立を可能にするような、安心して子供を生み育てられるような子育て支援体制づくりが大変重要になってくるものと思われます。  こうしたことから、本市では、延長保育や一時保育など保育サービスの充実、さらには地域において保育所の持つノウハウを生かして子育て相談などに応じる、現在三カ所の地域子育て支援センター事業などを通して、仕事と子育ての両立支援や育児負担の軽減に努めているところでございます。  また今年度は、二十一世紀を担う子供たちすべてが心豊かで健やかに、たくましく育ってほしいという願いを込めて造成いたしましたエンゼル基金の果実運用による助成事業も始まる予定でございまして、今後、こうした児童の健全育成対策と子育て支援対策といったものを二つの大きな柱として、少子化社会対策には積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  また保育料負担の軽減についてのお尋ねでございますが、現行の保育料を負担と感じている多子世帯や若年世帯からは、保育料軽減に対して強い要望があるのも事実でございます。こうしたことから、本市では、利用しやすい保育所づくりの一環として、昭和五十二年度から、二人以上入所世帯の負担軽減、昭和五十四年度から最高額の据え置きなど軽減に努めてきたところでございまして、軽減額は、平成六年度実績において八億五千四百万円にも上っております。保育料軽減は、子育て支援といった少子化社会対策を進める上では大きな役割を果たすものでございますので、今後、議員御提案の趣旨を踏まえて、保育料問題については総合的に研究をさせていただきたいと考えます。        〔三十番 磯道文徳君 登壇〕 ◆三十番(磯道文徳君) ホームヘルプサービスですが、待機者が解消され、緊急時の派遣が可能になってきたということです。二十四時間巡回型ホームヘルプサービスの調査の結果にもありましたように、一日二回以上の利用の希望者とか、毎日の利用を希望している方々もまだまだたくさんあります。一日も早いその人に合ったサービスの実施を望むものです。  また来年度の老人保健福祉計画の見直しですが、少子化、後期高齢者の実態も再調査するなり、元気老人の対策も含め十二分に検討していただきたいことを要望しておきます。  障害者基本計画の策定中ということですが、また老人保健福祉計画の見直しの際に障害者も対象にしていくというお答えをいただきました。特に二十四時間体制でのホームヘルプサービスを実施していくとの御決意でございました。障害者の皆様の、また家族の方々の喜ばれる顔が浮かんでくるようであります。  障害者手帳の交付手続についても、さらに三カ月が二カ月に縮まるということでスムーズに住民福祉の体制ができ上がるかと思います。  少子化対策ですが、確かに相当な努力をしておられるのは十分承知をしております。再度産みやすい環境と言いますか、何とか英断を持って、またさらなる施策に挑戦していただくことを要望しておきます。  次に環境問題について伺います。  ことしの七月三日から六日にかけての豪雨によって扇田環境センターに多量の汚水が流れ込んだため、汚水中の生物を処理する脱窒素菌が死滅し、七月十七日から二十二日まで処理機能が停止しました。さきに九月の第三回定例会で八千万円を計上し応急対策を講ぜられ、当初の三百五十トンの処理能力の回復に現在努められているところです。同時に、来年度以降の抜本対策についても研究するため一千万円を計上し、排水処理施設プラント等の調査を行っておられます。加えて、今議会で、扇田環境センター排水処理施設のオーバーホールの委託が八千七百万円、八年度の債務負担行為で五千八百万円、総委託事業費一億四千五百万円となっております。  まず、この排水処理プラント施設は、新たに建設予定の次期埋立地にも供用できるのかどうかお答えいただきたいと思います。  この排水処理プラントは平成十三年の埋立終了後も当然排水の処理は必要であり、もし、さきに発表された次期埋立地の排水処理プラントとしても使用するとすれば、昭和五十九年五月に埋め立てを始めて十一年目で大修理となります。さまざまな疑問を抱かずにはおられません。原因の調査を行っておられるようですが、調査の内容と土質等の状況、排水等の分析が判明していればお答えいただきたいと思います。  次に、ダイオキシンの問題について伺います。  このダイオキシンとは、米軍がベトナム戦争のときに枯れ葉作戦で使用した化学物質であり、発がん性や奇形児を生みやすいもので、自然界にはあってはならない猛毒です。人類がつくった最強、最悪の猛毒とも言われ、偶然から生まれた産物ですが、都市のごみ焼却炉などから検出されることもある猛毒です。  このダイオキシン対策については、例えばドイツにおいては原則としてごみの焼却は行わない。また既存の焼却施設や、やむを得ず焼却した灰については炭坑などの廃坑内を防水処理し、その中に厳重に保管、管理していると聞き及んでおります。これに対して我が国においては法的整備等なされていない状況です。  そうした中、昨年完成した東部環境工場は、ダイオキシンに対応するということで、バグフィルターを設置した最新設備の工場と伺っております。煙として空中に排出されるダイオキシンの量は極めて低いレベルであると聞いておりますが、東西環境工場は塩化ビニール類も可燃物として処理しており、必ずダイオキシンが生成されると聞いております。排ガスの中のダイオキシン濃度は本当に大丈夫なのでしょうか、お伺いいたします。  また、環境工場から出た焼却灰は扇田環境センターで処分しておりますが、焼却灰の中に含まれるダイオキシンは水に溶けにくいとはいえ、環境センターの排水に含まれている危険性があります。ダイオキシンによる環境汚染は心配ないのでしょうか。  環境センターに持ってこられる焼却灰及び環境センター内の土壌のダイオキシン濃度の測定調査はなされているのか、なされていないとすれば測定調査が必要と考えますが、いかがでしょうか。  また排水についても測定の検討が必要なのではないでしょうか。  以上、あわせてお尋ねいたします。  環境問題を引き続いて質問させていただきます。  環境を有限なものとしてとらえ、我々の営みのすべてをそのような前提のもとに考え直すことを提唱したK・ボールディング博士の「宇宙船地球号」の概念、さらには現在のような環境資源の浪費が続けば、百年を待たずして地球に限界が訪れると警鐘を鳴らしたローマクラブの「成長の限界」の概念など、環境保全なしには人類の未来はあり得ないことはもはや論をまつまでもありません。言いかえれば、我々人類は自然との共生なしには生存していくことはできないということです。まさに環境問題は、我々人類が解決しなければならない緊急かつ最重要課題であります。  このような状況を踏まえ、本市におきましても、良好な環境を子々孫々に継承するためにさまざまな施策を展開してきたところです。すなわち、昭和六十三年には全国に先駆けて熊本市環境基本条例を制定。これを受けて平成四年に環境行政の指針となる環境総合計画を策定しております。さらには、市政運営の基本となる熊本市総合計画の中で、水と緑の人間環境都市を市政の基本方針の一つに掲げるなど積極的に環境政策に取り組んできました。さらに本年九月には環境保全都市宣言を高らかに内外に向かって宣言したところです。今後はこれらに基づき、ハード、ソフト両面にわたって具体的な政策が展開されるものと期待しております。  さて、本年六月、環境保全の技術的中核施設として、待望久しかった環境総合センターが画図町にオープンいたしました。ここでは、環境や保健衛生に関する高度な試験研究の施設として、電子顕微鏡を初めとする最新の分析機器が整備されるとともに、学習ホールや市民実験コーナーを設けて、市民が気楽に環境問題などについて学べる全国的にもユニークな施設と伺っております。  そこでお尋ねいたしますが、この環境総合センターはどのようなセンターを目指しておられるのか、基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、本市の命の水となっております地下水を質、量の両面から将来にわたって保全していくことが本市の緊急の課題となっておりますが、環境総合センターでは地下水の研究をされていると伺っております。どのような研究をされているのかお聞かせいただきたいと思います。  また、本市と友好都市でありますハイデルベルク市は地下水保全の研究が進んでいると聞き及んでおりますが、国際協力の意味からも共同で研究していく考えはおありになりませんか。  また、本市の環境保全を図っていくためには市民への啓発が肝要であります。環境総合センターには市民の学習拠点としての機能を持たせてありますが、今後どのようにして啓発を進めていかれるのか、特に二十一世紀を担う小中学生の啓発についてお伺いいたします。        〔環境保全局長 矢毛隆三君 登壇〕 ◎環境保全局長(矢毛隆三君) 磯道議員の環境問題について、扇田環境センターの排水処理管理について、それとごみ処理におけるダイオキシンについての御質問についてお答え申し上げます。  まず第一点目、最終処分場の排水処理施設についてでありますが、現在、次期施設建設候補地の現況測量調査を行っており、この調査結果により埋立面積、容量及び排水処理量等を把握し全体的な計画を策定することとしており、現在設置している排水処理施設を活用して処理が可能かどうかも含め今後検討する予定でございます。  埋め立て終了後の排水処理施設につきましては、議員御指摘のとおり相当な期間処理継続をしていくことになると予想されます。このようなことから、将来とも安定した処理を継続するため所要の施設整備事業経費を計上しているところでございます。これまで十分な整備ができず経年劣化しております機器類の抜本的な補修を行う予定でございます。  原因の調査につきましては、現在、埋立地内の地質調査、原因及び対策の検討を福岡大学にお願いしているところであります。  地質調査の中間報告によりますと、災害ごみ等の埋立層内に分解熱の影響による温度上昇が認められる等の報告がなされており、今後最終報告を待って対応を検討してまいりたいと考えております。また放流水の水質につきましては、水質汚濁防止法により規制されておりますBODを含めて、排水基準値を十分クリアする水質で放流しているものと考えております。  次に、第二点目のダイオキシンの問題でございます。  議員御指摘のように、環境工場において処理するごみの中にはダイオキシンを合成する物質が含まれているため、適正な運転管理を維持する装置を設置し、厚生省のガイドラインに基づいてダイオキシンの発生を極力抑制する運転に努めているところでございます。  このことにより、排ガス中に含まれるダイオキシンの量は、西部環境工場では、ダイオキシン専門家会議による評価指数の数千分の一から数万分の一、最新設備を備えた東部環境工場においては数十万分の一のオーダーであり、それぞれ良好な状態が維持されているものと考えます。  また埋め立て処分される焼却灰につきましては、処理施設内に封じ込められていることと、ダイオキシンが水に溶けにくい性質を持っていることから、自然環境に排出される量は極めて微量であると予測されるため、現時点においては測定はいたしておりません。しかしながら、廃棄物処理におけるダイオキシン問題につきましては、その検出量が微量であるとはいえ、廃棄物の適正処理の確保の上でも、また環境保全の観点からも重大な問題として受けとめております。  このようなことから、今後、排水等につきましても測定を検討してまいる所存でございます。基本的な取り組みといたしましては、ごみの減量やリサイクルの推進によりましてごみ質の改善を図り、ダイオキシンの発生をさらに抑制してまいる所存でございます。  次に、環境センターについてでございます。  議員御案内のとおり、環境総合センターはおかげをもちまして本年六月三十日に無事落成、業務を開始したところでございます。現在までの利用状況を申し上げますと、オープン以来三千八百人を超える利用があっております。  御質問の第一点のセンターの将来像に対する基本的考え方につきましては、本市は地下水を初めとする他都市に類のない地域特性を有しております。また、現在の環境問題はその多くが市民生活と深く関連しております。このようなことから、センターの将来像といたしましては、熊本市ならではの地域特性を有し、市民の方々とともに環境問題を考えていく市民に開かれたセンターとして、また技術的には国際レベルの研究センターを目指しております。このため、今後、機器等のハード面での整備に加え、スタッフの充実を図っていきたいと考えております。  第二点の地下水の研究推進につきましては、地下水汚染の未然防止を目的として、規制化学物質のみならず未規制の化学物質の調査、あるいは汚染物質除去法の確立等に取り組んでまいります。また量の保全につきましては、現在、地球観測衛星を利用した涵養地域の把握に着手しております。将来的には地下水量の予測ができるようなシステムを構築していきたいと考えております。  それから、議員御指摘の友好都市ハイデルベルク市との共同研究につきましてはまことに貴重な御提言であり、環境問題に対する国際協力という点から、連携を図りながら、より高度な研究、調査を進めてまいりたいと考えております。  次に市民啓発につきましては、当センター内には環境学習や簡易な化学実験を行うことができる設備が整っておりますので、これらの設備を有効に活用して、環境問題等に対する市民意識の啓発事業を積極的に進めてまいりたいと考えております。特に小中学生の啓発につきましては、教育委員会と連携を図り、夏休み等に重点的に実施したいと考えております。  今後とも、市民生活に密着した研究、調査を推進し、環境保全都市宣言にふさわしいまちづくりに全力を傾注する所存でございます。よろしくお願いします。        〔三十番 磯道文徳君 登壇〕 ◆三十番(磯道文徳君) 扇田環境センターにつきましては、調査結果の最終報告を待つしか手はないのでしょうが、十分な原因調査をいただいて、市民の皆様が安心できる施設に整備していただきたいと思います。  ダイオキシンにしても、焼却灰や扇田処分場の土壌中に存在することはほぼ間違いありません。直接それらの処分に携わる方々の安全確保のためにも各種測定を十二分にしていただきたいと思います。  ごみの総量が前年に比べ四・二%増の三十三万三千トンということになっております。またこのごみを処理する費用も一人当たり一万一千九百七十二円と、前年度の九千三百四十円に比べ二八%もふえております。市民一人一人が減量に努めるとともに、市当局のリサイクルの推進により一層の努力をいただきたいと思います。  また環境総合センターの研究ですが、地下水の量の保全について地球観測衛星を使って涵養域の把握を進め、さらに地下水量の予測のできるシステムの構築をしていくとのことです。一日も早い完成に期待したいと思います。特に市民意識の啓発については、小中学生に、夏休みといわず授業の中に取り入れられないのか、教育委員会との十分な協議もあわせてお願いしておきたいと思います。  教育問題についてお伺いいたします。今議会冒頭、我が党の中沢議員が質問いたしました共同調理場の食中毒に関連して重ねてお尋ねいたします。  熊本保健所と西保健所は毎年学校給食一斉臨検を行っております。学校給食は大量に調理するため、一たん事故が発生すると大規模食中毒となります。今回の事件がまさにそのとおりであります。このことから、事故の未然防止を図るため、ふき取りによる細菌検査と管理運営状況について調査、指導を実施しております。西保健所においては、六月十九日から二十一日の間に小学校十九施設において臨検を行っています。結果は、大腸菌群が陽性という施設が作業台三施設、包丁の柄三施設、水道の蛇口三施設、まないた一施設となっており、黄色ブドウ球菌が陽性という施設がまないた一施設となっています。さらに、冷蔵庫の不備が三施設、清掃用具保管不備が十五施設でした。管内の十九の施設を実施しただけでこのような状況だったわけですが、驚きと言うよりもとんでもない事態ではないかと危惧するものであります。小学校六十八施設、共同調理場十五施設にこの結果を単純に比例して考えますと、約八割の六十五施設は何らかの問題があると考えざるを得ません。  聞くところによりますと、この一斉臨検でことしはほぼ全施設を対象に行ったようですが、過去においては管内施設の一部調査で済ませています。さらに驚くべきは、熊本保健所、西保健所において検査の方法が統一されていないという事実です。このような実態であれば、同じような食中毒がまた発生しても不思議ではありません。今回の事故も、厳しく言えば、起こるべくして起きた事件と言っても過言ではないかもしれません。  そこで今後の問題として、先ほど述べました実態をとらえ、今後どのように改善されるのか、保健衛生局と教育委員会、双方にお伺いいたします。  まず、保健衛生局には、今回行った臨検の実態はどのようなものか、幾つの施設の検査を行い、どういう結果だったのか。また、結果に対してどのように対応し、教育委員会とはどのような連携をとったのか。さらに、今後の課題として臨検のあり方をどうするのか。熊本保健所と西保健所の検査内容や方法の統一を初め、実施対象、時期、回数、検査方法、教育委員会との連携の方法はどうされるのか具体的にお示しいただきたいと思います。
     また、教育委員会には、今回の臨検の報告を受けてどのように対応されたのか伺います。大腸菌群、黄色ブドウ球菌の検出の原因の追求、また防止策の検討はされたのか。さらには、今後の問題として衛生管理体制の強化が必要ですが、保健所との連携をどうとられていくのか、臨検の報告についての管理体制をどのようにされていくのか、いずれも危機管理体制のシステムづくりについて具体的にお答えください。  次に、強化磁器食器がモデル校で十月四日から導入されています。子供たちの様子はどういう状況か、反応等お聞かせいただきたいと思います。また、磁器食器の導入について今後の取り組みについてもお示しいただきたいと思います。  さらに、学校給食法人化の経費として一億円が今議会で提案されていますが、法人化のメリット、法人化のスケジュール、法人の管理運営体制を具体的にお答えいただきたいと思います。        〔保健衛生局長 工藤 磐君 登壇〕 ◎保健衛生局長(工藤磐君) 磯道議員にお答え申し上げます。  学校給食は何をさておきましても安全第一でなければなりません。衛生部におきましては、昭和六十三年に東共同調理場で発生しました食中毒の反省に立ちまして学校給食の衛生指導のあり方について検討を加え、翌年度から食品衛生監視員の重点事業として取り組んでまいりました。そしてただいま議員がお述べになりましたように、学校調理場に対して両保健所で毎年五月から七月にかけて施設の状況及び調理器具等のふき取り検査を行い、その結果に基づき、各調理場の指導を実施してきたところでございます。  ちなみに本年の両保健所の調査結果を申し上げますと、小学校の調理場六十八施設、共同調理場十五施設の臨検を実施しまして、調理器具等から大腸菌群が検出された施設が十五施設、黄色ブドウ球菌が検出された施設が五施設ありましたほか、設備面では冷蔵庫に温度計が設置されていない施設や清掃用具の保管庫が不備な施設がございました。これらの施設に対しましては、衛生的な取り扱い並びに設備の改善を学校及び教育委員会に対して指導したところであります。        〔議長退席、副議長着席〕  そのような中で今回の事件が発生しましたことにつきましては、保健衛生局としましてもまことに遺感なことであり、また深く反省をいたしているところであります。そのようなことから、現在、調理場の食品衛生管理上に盲点がないかどうか調理の状況等を含めて綿密な調査を実施いたしております。  この調査結果に基づきまして、今後さらに調理場に対しどのようなチェックが必要なのかを検討し、これからの調理場の指導のあり方について全施設を対象とすることはもちろん、両保健所の検査方法の統一、検査時期や回数等の問題を含め、議員の御指摘を十分に踏まえて見直しをしてまいりたいと考えております。  今後教育委員会との連携を一層密にいたしまして、子供たちの健康を守るために、二度とこのような事故が発生しないよう調理場に対する指導の質の向上を図りますとともに、調理場の自主管理のあり方につきましても教育委員会と協議し、システムとして確立していく所存であります。        〔教育長 後藤勝介君 登壇〕 ◎教育長(後藤勝介君) 私の方からは学校給食に関連します問題について三点お答えを申し上げたいと思います。  まず、今回発生をいたしました学校給食の中毒の問題につきましては、大変御心配と御迷惑をおかけしました。心からおわびを申し上げます。  ただいま保健衛生局長より答弁がございましたように、本年両保健所の検査を受けました小中学校の調理施設のうち、十五施設の作業台、包丁の柄、冷蔵庫の取っ手、水道の蛇口などから大腸菌群が検出されました。また五施設のまないた、包丁の柄、冷蔵庫の取っ手、水道の蛇口などから黄色ブドウ球菌が検出されたと指摘を受けました。指摘を受けました各調理施設では、例えばまないた、包丁の柄などは次亜塩素酸ナトリウムの希釈液に浸し消毒をいたしております。また、作業台、冷蔵庫の取っ手などはアルコールでふき取るなどの消毒を実施しております。このほかに、ただいまお話がございましたように、施設や設備の不備につきましても指摘を受けております。応急に対応できるものと改修などを伴うものがございますが、今後保健所の指導も受けながら具体的に改善に取り組んでまいりたいと考えております。  さらに、管理のあり方、今後の取り組みについてでございます。  現在の取り組みでございますが、保健所から指摘を受けました調理施設では、学校長に報告し、学校長より教育委員会に報告が参ります。また一方、保健所から教育委員会に対しましても報告がなされます。教育委員会といたしましては、指摘を受けました各調理施設で対応を行いますことはもちろん、校長会や各学校の栄養職員、給食調理員で構成されております給食連絡会などの場を活用しまして衛生管理の徹底を図っているところでございます。今回の問題は大きな反省点といたしまして、衛生管理のためのマニュアルづくりに取り組む必要があると考えております。  作成に当たりましては、通常時のマニュアル、異常時のマニュアルなどを検討したいと考えております。例えば保健所から指摘を受けました場合の対応としましては、現場の確認、処理の方法、指摘事項の処理と確認、そして報告などについて具体的に定めたいと考えております。そしてマニュアルの効果が徹底できますように、調理施設、学校、教育委員会、さらには保健所も含めました連絡会を開くなどして安全な給食の実施に努めてまいりたいと考えております。  次に、強化磁器食器導入についてお答えを申し上げます。  ただいまお話がございましたとおり、本年十月よりモデル校として本荘小学校、慶徳小学校、春日小学校の三校を選び強化磁器食器を導入いたしました。この三校の児童の反応でございますが、熱いおかずでも手に持てる、家庭的な雰囲気でおいしく感じる、温かみがありかわいいデザインでもあり思わず食べたくなる、食器を大事に扱うようになったとの反応があります一方で、食器が重いので持ち運びが大変である、割らないようにとても神経を使うなどの反応がございました。さらにこの状況を見守りながら今後の方向を見きわめていきたいと考えております。  最後に、学校給食会の法人化についてお答えを申し上げます。  御承知のとおり、学校給食会は昭和二十七年に設立されまして以来今日まで、学校給食に必要な食材を安全で衛生的に、しかも安定的に確保しますための共同購入事業に取り組んでまいりましたが、任意の団体でありますので、本議会におきましても数回にわたり法人化にするようにとの御指導をいただいてきたところでございます。今回法人化に必要な予算につきましてお願いをしておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  法人化のメリットいたしましては、社会的な信用度の確立、責任体制の明確化、あるいは運営の安定化などが考えられますが、御議決をいただきましたならばまず設立発起人会を設置し、会の組織や運営等につきまして十分な検討を行いたいと考えております。そして準備が整いましたら、関係官庁に許可申請を行う予定でございます。法人化しました後はそのメリットを生かし、子供や保護者はもちろん、市民の皆様にも一層信頼される学校給食会を目指して努力してまいりたいと考えております。        〔三十番 磯道文徳君 登壇〕 ◆三十番(磯道文徳君) 事は子供たちの生命にかかわる重大な問題です。この危機意識の欠如とともに、危機管理体制が不備であったことが問題ではないでしょうか。  検査の方法が違って行われているということ自体、言語道断であります。例えば早急に全校臨検をやり直すとか、危機管理の徹底、迅速な対応など、危機管理システムの一日も早い構築を強く申し上げておきたいと思います。  また、磁器食器は子供たちに大変評判の様子です。一日も早い全校導入を期待したいと思います。  その他の項に移らせていただきます。  住宅の問題でお伺いいたします。  生活援助員(LSI)が同じ団地に居住する出水団地が完成しました。この団地は百六十三戸中七十戸が高齢者用住宅で、玄関や部屋、トイレ、浴室とすべてに段差がなく、緊急通報システムも浴室、トイレ、居間に完備しており、ボタン一つで昼はLSIが待機する相談室へ、夜や休日はLSIの部屋につながり警報を鳴らす。また、ひとり暮らしの対策として、室内に人の動きを察知するセンサーを設け、一定時間動きを感知しない場合、相談室に自動的に異常を知らせる装置も各戸についています。各所に手すりがあり、押し入れや台所、洗面台の位置を低くするなど工夫が十二分に見られます。安心して快適な生活が営まれる住宅になっております。  さて、以前より我が党として、この住宅の問題についてはさまざまな角度からあらゆる政策を提案しながら、年間五百戸の建設、建てかえ時の家賃の傾斜方式の導入、家賃の減免制度、駐車場の整備、車庫証明の発行の実現等々推し進めてきたところです。  そこでお尋ねいたしますが、年度内に前々から懸案であった楠団地の平家、二階建ての区域が建てかえの時期を迎えたと伺っております。楠中学校のグラウンド用地と住宅用地の一部を交換し、建てかえるものと伺っております。建てかえの戸数、建てかえの建設予定を伺いたいと思います。  また、現在、コミュニティーカルテの作成が実施されております。この楠団地周辺の公共施設としては、龍田市民センター、武蔵ケ丘駅駐輪場と非常に少なく、武蔵ケ丘、楡木、上立田、麻生田、この周辺には公的施設の建設が望まれているところです。そこで、建てかえ計画の中で今行われているコミュニティーカルテを参考に、当地域に不足の公的施設の複合住宅の建設をお願いしたいと思いますが、建設局長の答弁をお願いいたします。  引き続き防災対策について伺います。  戦後最大の都市震災と言われた阪神・淡路大震災は、これまでに例のない都市崩壊の惨状をまざまざと見せつけました。被災者の多くの方々は、着のみ着のままで公共施設や公園へ避難し、飲料水と食料の不足を訴えておられました。この災害を通し、我々はいろんな面で災害発生時の貴重な教訓を学びました。本市においても、市民の生命財産を守ろうという大原則のもと、防災計画の見直し、防災公園の整備、食料の備蓄、学校校舎の耐震調査等、現在進めておられるところです。その中に消防で現在取り組まれている司令管制システム、消防地球局施設があります。本庁舎とニュースカイホテルの屋上に設置予定の監視カメラからとらえた画像を通信衛星を利用し、国、県、市へ送ろうというものです。今回消防の方で入札案件が出されておりますが、この地球局の端末を本庁の防災対策室にも設置できないかということです。  災害発生の場合、災害対策本部が設置されます。この中枢となるのが防災対策室になるわけですが、ここに消防局と同じような監視カメラから送られた画像を受信できれば、災害発生状況はもちろん、初動体制、災害応急対策、復旧対策もすべて迅速に対応できます。防災地球局の本庁への端末の設置についてあわせてお伺いいたします。        〔建設局長 齊藤 聰君 登壇〕 ◎建設局長(齊藤聰君) 市営団地と防災についての御質問でございますが、まず楠団地関係についてお答えを申し上げます。  本市では老朽狭隘化した市営住宅の建てかえを推進するために、平成五年度に策定した市営住宅の建てかえ計画に沿って計画的に事業を進めておりますが、御指摘の楠団地も同計画に沿いまして本年度から着手するものであります。  御承知のとおり、楠団地は昭和四十三年から四十七年にかけて一千三百十六戸が建設され、今回の建てかえはそのうち老朽化の著しい簡易構造の住宅三百九十八戸について実施するものでございます。計画期間は、再入居される方々が仮住居の不便さを解消できるよう、一年置きの四期に分割した建設を計画しております。  以上が大まかな全体計画でございますが、本年度、その第一期分として下水処理場跡地に五十四戸を建設着手の予定でございます。  次の、団地内への公共施設の併設についてのお尋ねでございますが、市営住宅の建てかえについては、公営住宅法関連のさまざまな制約があり、団地内に他の施設を整備する場合も施設の種類によっては必ずしも可能とは言えない場合も考えられます。ただ、先日もお答えしたところでございますが、デイサービスセンターなどの福祉関連施設につきましては、国としても、その必要性から住宅用地の用途廃止手続を簡素化するなど、施設の併設を積極的に考える方向にあります。  いずれにいたしましても、楠団地は本市でも有数の大規模団地であり、公共施設の配置につきましても、御指摘のように策定中のコミュニティーカルテなどを参考にしながら、福祉施設はもとより、その他の公共施設についても対象に入れ、今後関係機関とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。  次に防災地球局についてでございますが、さきの阪神・淡路大震災を大きな教訓として生かすべく編成された国の予算の中で、新たな防災施策の一つとして登場したのが高所監視カメラと衛星地球局から成る画像伝送システムであります。このシステムは、高層ビルの屋上に設置する高所監視カメラの映像を光ケーブルあるいは簡易多重無線を介して消防局に伝送し、さらにこの映像を消防局屋上に設置する衛星地球局から赤道上空三万キロの静止衛星を介して自治省消防庁や首相官邸、あるいは他の都道府県や消防本部にも伝送し、あるいは逆のルートをもって他都市等の情報を受信しようというものであり、結果、総合的な双方向の防災情報ネットワークが構築できることになります。  本市としましては、このシステムを介した情報の収集、伝達が防災対策上特に有効であると判断し、平成七年度事業として、現在消防局において導入のための作業を進めているところであります。  高所監視カメラの設置場所としましてはニュースカイホテルの屋上を予定しておりますが、倍率五十五倍のこのカメラは、必要時には眼下の白川等の河川水位や市域の状況を二十四時間リアルタイムで監視できる性能を有しておりますので、ここから得られる情報は水防対策の上からも大変有効であると考えられます。このようなことから、これらの情報を伝送するための端末機器の設置につきましては、防災対策はもちろんでございますが、今後消防局と関係部局と連携を図りながら進めてまいりたいと存じます。        〔三十番 磯道文徳君 登壇〕 ◆三十番(磯道文徳君) 楠団地の建てかえについては、地域の方々も待望久しかったところです。現在、急な階段とか狭い部屋で、市民の方々の人気としてはいま一つのところがありました。魅力ある住宅の建てかえに期待したいと思います。  さらに、建てかえに生じて楠中学校のグラウンドの用地との交換が一部ございますが、中学校のグラウンドが広がるということで、なお一層部活なども充実すればと思います。  また、公的施設との複合住宅、コミュニティーカルテも年度内にはまとまるようです。この複合住宅には地域に最も必要とされる施設が検討されることを期待いたしたいと思います。  また、地球局の本庁端末設置については、できれば運用開始の時点からの本庁設置を希望しておきたいと思います。  本日は御清聴まことにありがとうございました。  以上で私の質問を終わらせていただきます。(拍手)      ───────────────── ○副議長(宮原正一君) 本日の日程はこれをもって終了いたしました。  次会は明十二日(火曜日)定刻に開きます。      ───────────────── ○副議長(宮原正一君) では、本日はこれをもって散会いたします。               午後 三時二十五分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり  平成七年十二月十一日  出 席 議 員 五十二名   一番 荒木哲美    二番 宮原正一    三番 坂田誠二    四番 藤山英美   五番 田中誠一    六番 内田三千夫   七番 重松孝文    八番 小山久子   九番 中松健児    十番 鈴木弘十    一番 古川泰三   十二番 税所史熙  十三番 山内光昭   十四番 下川寛    十五番 馬場成志   十六番 竹原孝昭  十七番 北口和皇   十八番 佐々木俊和  十九番 田辺正信   二十番 島田俊六 二十一番 河村寅麿  二十二番 田尻将博  二十三番 田尻清輝  二十四番 牛嶋弘 二十五番 岡田健士  二十六番 落水清弘  二十七番 益田牧子  二十八番 大江政久 二十九番 東すみよ   三十番 磯道文徳  三十一番 江藤正行  三十二番 主海偉佐雄 三十三番 伊形寛治  三十四番 奧田光弘  三十五番 鈴木昌彦  三十六番 諸熊文雄 三十七番 上村恵一  三十八番 西泰史   三十九番 亀井省治   四十番 中沢誠 四十一番 中村徳生  四十三番 嶋田幾雄  四十四番 竹本勇   四十五番 田尻武男 四十六番 白石正   四十七番 矢野昭三  四十八番 島永慶孝  四十九番 村山義雄  五十番 西村建治  五十一番 大石文夫  五十二番 紫垣正良  五十三番 西野法久 説明のため出席した者 市長      三角保之   助役      御厨一熊   助役      吉田紀生 収入役     中村順行   市長公室長   岩本洋一   総務局長    野田晃之 市民局長    市原敏郎   保健衛生局長  工藤磐    環境保全局長  矢毛隆三 産業局長    村上智彦   中小企業局長  坂田憲一   都市局長    本田吉継 建設局長    齊藤聰    消防局長    吉原準二   交通事業管理者 谷壽夫 水道事業管理者 竈啓一郎   教育委員会委員長大橋綾子   教育長     後藤勝介 人事委員会事務局長      代表監査委員  服部公雄   総務部長    三嶋輝男         行徳健次 職務のため出席した事務局職員 事務局長    田尻紘    事務局次長   岡本央    議事課長    松本豊 議事課長補佐  山田利博...